リハビリテーション学研究科
リハビリテーション学専攻

2015年度修了(訪問看護ステーション勤務)

新井 杏 さん ※取材当時、修士課程2年

キャリアアップ 研究・実践 社会人
リハビリテーションの根拠を得るために進学

大学を卒業後、精神科病棟で作業療法士として勤務し、6年が過ぎたころ、日々のアプローチ方法やその考え方の根拠を見直すようになりました。患者さんの退院後の生活に合った作業療法には何が必要なのか、ヒントを見出すために、作業療法の理論や根拠、リハビリテーションに関する多角的な視点を身につけることが必要だと、大学院への進学を検討し始めました。検討する中で出合ったのが、目白大学大学院の山田孝教授が研究されている「人間作業モデル」という理論です。私が従事してきた精神障害者の作業療法を考える上での根拠が得られるのはもちろん、患者さんの病気だけでなく、意志、習慣、遂行能力、環境など、全体を考えて評価してアプローチする理論に魅力を感じました。また山田教授は、心身障害・精神障害・老年期と幅広い領域を研究対象としていることも、進学の決め手となりました。

社会人学生として臨床と研究を両輪に

リハビリテーション学研究科の授業は夜間と土曜日の開講で、先生方にも柔軟に対応していただき、働きながらでも無理なく通えています。大学院で学んで実感するのは、臨床において学びと実践はどちらも不可欠であるということ。どの学生も積極的に学会発表に参加し、理論や研究成果をもとに現場でリハビリテーションのプランを作成するなど、得られた知見を実践に役立てています。学びを臨床にすぐ活かせることは、社会人学生の特権だと思います。同じリハビリテーション従事者である同級生と共に学ぶことも刺激になっていて、領域や年齢を越えた仲間とお互いの近況について話し合うなど、異なる分野の最先端の情報にふれられる有意義な時間になっています。

退院後の生活に必要な作業療法を探究したい

修士論文は、入院中に行う作業療法がどのような点で退院後の患者さんの生活に役立つのかをテーマに進めています。論文指導教員の山田教授の丁寧な指導を受けながら、入学前に構想していたテーマをさらに深化させて研究デザインを固めていきました。対象者へのインタビューから分析を行う質的研究に取り組み、11月中旬には中間発表が実施されました。関連する論文を読んだり、先行研究を調査し、テーマについて理解を深めていくことは苦労もありますが、知識が拡がるとともに論文とはどう書くものか、しっかり学んでいます。また、その他の先生方にも授業や研究、仕事での疑問まで相談でき、メールでの相談も受け付けてくださるなど、とてもオープンな環境も大学院生活の支えです。