国際交流研究科 国際交流専攻

2012年度修了(大学職員兼博物館学芸員)

池田 和俊 さん

国際交流 研究・実践
博物館学芸員に必要な専門知識を学ぶ

大学で学んだ民俗学について、さらに広い視野での研究を目指し、多様な専門領域の教授陣が教鞭をとっている目白大学大学院へ進学しました。博物館学芸員として、風習や習慣、伝説、民話、生活用具など、民間で伝承されてきた日常生活の歴史を後世に伝えるために、関連するさまざまな授業を履修。先生方は研究やプロジェクトの豊富な経験に基づき、成功例だけでなく失敗例まで、詳細な分析を踏まえて解説くださり、学生一人ひとりの学びたいという意欲に応えてくれます。また、国際交流専攻には留学生が多く在籍し、日本の民俗学の研究をする私にとって恵まれた環境であったと実感します。海外の風習や習慣について留学生から実際に話を聞くことができ、比較文化の視点が得られるとともに、生の声を聞くことの重要性を感じる機会となりました。

日本古来の風習について研究

修士論文は、女人禁制をテーマに執筆しました。日本国憲法が制定されて70年が経ち、人々は自由な考えを持ち、自由に行動できる世の中となりました。大きな経済発展を遂げた日本において、現在でも古来の慣わしにより女性の立ち入りを制限する領域があったり、神事への女性の参加を禁止したりするような制限や慣行に疑問を感じていました。なぜ女性を制限する必要があったのか、女人禁制の伝統やしきたりの中で女性はどのように生きてきたのか、調査を行って論文を執筆しました。

博物館の業務と学生対応に活きる知見

現在は私立大学に勤務し、授業や定期試験の運営、教室管理、学生への生活指導など、幅広い業務を行いながら、学内併設の博物館で博物館学芸員として調査研究および展示業務を担当。学芸員養成課程において学生へのアドバイスも行っています。目白大学大学院で学んだ専門知識を活かせるのはもちろんですが、同級生たちと一つのテーマを多角的に捉えて議論を重ねた経験により、学生からの相談や意見を聞く際に必要となる、しっかり耳を傾ける誠実な姿勢と広い視野を身につけることができました。これからも学生に対し、大学院での学びを活かしたサポートができるように努めていきます。