言語文化研究科 中国・韓国言語文化専攻

教授

徐 寅錫 Seo Inseok

「韓日文学対比研究」を研究分野として考える

韓国文学研究は、主として韓国で創作された文学作品を研究対象とするが、多様な観点からの研究が模索されてきた。その一つとして外国文学との対比研究も考えられる。「対比研究」とは「直接には接触交流のない文学作品間の類似、対応関係を巨視的に展望する」という意味である。
異文化としての韓国文化を理解するためのテクストとして韓国文学作品は有効であるといえる。例えば、日本が韓国に進出するために1876年に韓国と条約(日朝修好条規(江華島条約))を締結し、それから6年後の1882年(明治15年)に韓国文学の代表的な作品『春香伝』を日本語に翻訳し新聞に連載した。また、アメリカ(1882年)、イギリス(1883年)、フランス(1886年)も韓国と条約を締結し、その後英語(1889年)とフランス語(1892年)で翻訳された。このような『春香伝』の外国語訳は、外国文学としての韓国文学を紹介するだけではなく韓国人が好んで読んでいる文学作品を通じて異文化としての韓国文化(情緒など)を理解するためのものでもあったからである。
「韓日文学対比研究」は、韓国と日本の文学作品そのものを研究対象とすることもできるが、韓国人が好む韓国文学作品と日本人が好む日本文学作品を対比研究することができる。つまり、「韓日文学対比研究」は多様な観点から研究対象を設定し、研究することができると思う。

授業の内容から研究テーマを見つける

大学院では「韓国中世近世文学研究」と「韓国近代文学研究」の授業を担当している。韓国の古代から現代までの文学を概観し、文学作品を読み、時代的背景や文学的特色を探ることなどから研究テーマを見つける。

修士論文の指導

修士論文の指導のために「研究論文指導演習1・2・3・4」という科目を設けている。各自の研究テーマについて、先行研究を検証し、研究課題を設定。修士論文を作成していく。

受験生の皆さま!

外国文学を研究することは容易ではありませんが、韓国文学と日本文学との対比研究を通して異文化理解を深めてみませんか? 韓日対比文学に関心のある方、韓国文学や韓国文化に関心のある方はオープンキャンパス(研究室訪問)にお立ち寄りください。