新宿図書館

第2回 図書館ミニ展示/第3回 公開講座

昨年に引き続き、新宿キャンパス図書館の貴重本を公開展示し、関連公開講座を実施します。
今年の展示はウィリアム・モリスの原著『黄金伝説』『地上の楽園』の2タイトルです。展示解説は本学メディア表現学科の小林賴子教授と大髙幸講師が担当します。
公開講座は、展示に関連した内容でブックデザイナーでもある安楽豊准教授(メディア表現学科)が講演をします。
この機会に図書館に足を運んで“美しい書物”を堪能して下さい。


第2回 目白大学新宿図書館所蔵稀覯本ミニ展示会
ウィリアム・モリスの『美しい書物』 
~つくる喜び 眺める幸せ よむ楽しみ~

開催期間: 平成25年7月1日(月)~7月27日(土)
       (期間中、4回の展示換えをします)
公開時間: 10:00~18:00 (土曜日は17:00まで、日曜休館)
場   所: 新宿図書館

第3回 公開講座: 『美しい書物』

日時: 平成25年7月16日(火) 18:30~20:00
講師: 安楽 豊 (目白大学社会学部メディア表現学科 准教授)
場所: 新宿図書館 2階閲覧室
募集人数: 60名(先着順)
<申し込み方法>
当館カウンターと電話での先着受け付けとなります。
お名前・ご住所・連絡先(電話番号またはメールアドレス)をお伺いさせていただきます。

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【レポート】 第3回目白大学図書館公開講座 (平成25年7月16日実施)

『美しい書物』

  • 第3回目白大学図書館公開講座
    たくさんのご来場
    ありがとうございました
  • 第3回目白大学図書館公開講座
    安楽豊准教授
  • 第3回目白大学図書館公開講座
  • 第3回目白大学図書館公開講座
    ウィリアム・モリスの作品
  • 第3回目白大学図書館公開講座
    「美しい」図鑑や絵本の紹介

 7月16日(火)18時30分、「第3回目白大学図書館公開講座」が開催されました。テーマは「美しい書物」、講師はメディア表現学科の安楽豊准教授です。今回は、同時開催中の「第2回目白大学新宿図書館蔵稀覯本ミニ展示会」に相応しい内容でお願いしました。
 会場の図書館2階閲覧室には、学内・外から50名の予約者のほか、当日講演に駆けつけた方々もいて、急遽、補助席を用意するほどの盛況でした。冒頭、図書館長の挨拶のあと、メディア表現学科長小林頼子教授による講師紹介があり、ただちに講演に移りました。
 安楽准教授は、研究者の視点から、また、ブックデザイナーの視点から、ポイントを3点にまとめて、「美しい書物」について講演を行いました。
 初めに「美しい」とは、なにを指すのか、先生の考えを伺いました。多くの先人の定義の中から、単なる「Simple is best」ではない、「複雑さに秩序をもたらす作業」の結果が「美しい」ものになるということでした。
 次いで、今回のミニ展示のテーマ「ウィリアム・モリスの本」に合わせて、先生が学生時代から研究・実作者としての今日に至るまで、折にふれて感じ、考えていたウィリアム・モリスについて話していただきました。ウィリアム・モリスは、しばしば、「モダンデザインの父」と評価されますが、それとともに、産業革命後の、「中世」が失われていく過程に不安をもち、中世のユートピア的世界を再構築しようとした、別の側面を認めてもよいのではないかとの提言でした。そして、オックスフォード大学討論場の壁画や、自然物をモティーフにした壁紙デザイン、手書き彩色本など、いくつかのウィリアム・モリス作品を画像で紹介し、聴衆一同、その「美しさ」に引き込まれました。
第3点目は、ブックデザイナーとしての実作過程についてお話しいただきました。端的にいえば、「ひらめき」を大切に、「色合いの美しさ」を重視して、制作に当たっているとのことでした。自分で白い紙面に線を引き、さまざまな絵の具を塗り分けて楽しんでいたという、ご両親から聞かされた、かつての安楽少年のエピソードが紹介されると、会場は静かで温かい空気に包まれました。また、ブックデザイナーとしての心がけは、「画面に必要なオブジェクトを配置した後の、カウンタースペースの「美しさ」にも配慮すること」と前置きした後、そのとおりの「美しい」図鑑や絵本の画像を何冊も紹介していただきました。講演終了後、その現物を手にとって拝見することができました。
最後に、社会学部長渋谷昌三教授からご挨拶があり、美しく静かで、そして温かい雰囲気に包まれた、1時間30分の講演会を閉会いたしました。