外国語学部

日本語・日本語教育学科

Department of Japanese and Japanese Language Education 新宿キャンパス

グローバル・ナレッジシリーズ

第30回:アフリカで現地の人々とマタニティハウスをつくる~日本人建築家の試み~

社会の第一線で活躍する方々を講師としてお招きし、仕事についてお話しいただく外国語学部連続講座「グローバル・ナレッジシリーズ」。外国語学部の学生は、誰でも聴講することができます。
1月12日(金)、日本語・日本語教育学科専門科目「異文化接触論」で、建築家/空間デザイナーの遠藤幹子氏をお迎えし、建築家として関わってこられた海外でのお仕事についてお話していただきました。

遠藤氏は、国内外で幅広く活躍されていますが、今回の授業では、世界で妊産婦支援を行っている国際協力NGOジョイセフ(JOICEP)の招きでアフリカのザンビアに赴き、現地で女性のためのマタニティハウス(出産待機施設)建設プロジェクトの中心となって活動されたときの様子を話していただきました。
遠藤氏によれば、ザンビアは比較的治安はいいものの、診療所や助産施設の不足から妊産婦の死亡率が日本の40倍という状況が続いているとのことで、女性が安全に出産できるよう、出産予定の数週間前から滞在できる施設をつくるプロジェクトで、2011年から継続的にマタニティハウスの設計と建設に携わって来られました。取り組みの最大の特徴は、現地の人々を巻き込んで、自分たちの施設だというオーナーシップを感じてもらうためにさまざまな工夫を取り入れている点です。
その一つとして、譲り受けたコンテナでつくったマタニティハウスに、現地の人に身の回りにある材料を使って装飾を施してもらう試みが紹介されました。老若男女問わず現地の人々が葉っぱのスタンプで壁に模様をつけたり 、施設での分娩(ぶんべん)の重要性を絵にした壁画を描いたりするといった、住民参加による建物づくりをワークショップ形式で行った結果、住民にも自信と施設への愛着がうまれ、実際に妊産婦の死亡率も下がったそうです。 遠藤氏は、現地の人々とこうした活動を楽しんで行うことを第一に考えてきたとのことですが、歌や踊りで作業のポイントを伝え合うザンビアの人々の中に入って支援をするなかで、異文化での活動ならではのさまざまな発見があったことを語ってくださいました。ザンビアの、のんびりとした作業のペースに最初は戸惑ったものの、次第に慣れていくうちに「楽に楽しくやろう」という方向にマインドを変えたことで、現地の人々とともに一つのものを作り上げる方向性が生まれたというエピソードは、援助する側・される側の峻別にこだわらず、異文化と気負いなく関わり合うことの意義を感じさせてくれました

学生の感想より

  • 簡単な作業でも、「自分たちがやった」と思えることで、当事者意識がもてるのだと実感できた。
  • 作業の手順など、何でも耳で聞いて覚えられるザンビアの人々はすごい。
  • 生活水準はあまり高くないかも知れないが、ザンビアの人たちは心が豊かだと感じた。
  • 異文化で協力して何かをつくることは大変だと思うが、不可能ではないと分かった。