外国語学部

英米語学科

Department of English Language Studies 新宿キャンパス

グローバル・ナレッジシリーズ

第28回:「日本企業のグローバル人事管理の挑戦:異文化対話力」

社会の第一線で活躍する方々を講師としてお招きし、仕事についてお話しいただく外国語学部連続講座「グローバル・ナレッジシリーズ」。外国語学部の学生は、誰でも聴講することができます。

10月17日(火)4時限の授業は、英米語学科長・柴田真一教授のアレンジのもと、ゲストスピーカーとして人事コンサルタントの安高純一氏をお招きし、「日本企業のグローバル人事管理の挑戦:異文化対話力」と題して、英語を話すときに相手の文化を意識することの重要性についてお話しいただきました。
安高さんは、東京外国語大学インドネシア科をご卒業後、日本精工(NSK)に入社され、英国に赴任。帰国後、本社人事課長を経て、英国アーサー・アンダーセン人事コンサルティング部門日系企業担当ダイレクター、三菱自動車工業・ 人事部長、ダイムラー・クライスラー日本の人事総務ダイレクターを歴任。現在は、イギリスを拠点に、現場を知る人事のプロフェッショナルとして、人事業務支援や企業幹部に対する異文化研修などにご活躍されています。これまで日本、イギリス、ドイツ、アメリカ、スウェーデン5か国の企業に勤務経験のある筋金入りの"グローバルビジネスパーソン"です。

授業の冒頭では、グローバル・ローカライゼーションと題し、"Think globally, Act locally"(グローバルに考え、ローカルに考える) の重要性についてお話しがありました。

  • グローバルな環境で成功するための「グローバル・スタンダード」はない。 究極的には、自分で考え、体験し、回答を出すしかない。
  • 海外との仕事を目指す人は、無限の好奇心を持ち、常に日本を起点に考えず、可能な限りグローバルな視点から日本を考える習慣を身に付ける。
言い換えると、グローバルマインド、グローバルな広い視点で考えながら、地元に受け入れられるよう、地域のことを考えて自分で行動を起こすことの重要性です。この前提に立って、異文化環境で働くスキル、複眼的思考の強化について、事例を用いながら具体的かつ実践的な切り口から語ってくださいました。学生がうなずきながら、ときには驚きながら聞いていたのが印象的でした。

グローバル・ナレッジシリーズ
「日本企業のグローバル人事管理の挑戦:異文化対話力」の授業レポート
  • 今日の安高さんの話を聞いて、海外で外国人と仕事や生活をするうえで、英語力もさることながら、異文化対話力が大切だとおっしゃっていたことに納得しました。
  • 異文化対応力・適応力も大切であると思いました。たくさんの例を出してくださった中で、ときにわれわれは外国人に対する固定観念を持ち過ぎであると感じました。
  • 特に驚いたのは、ドイツでは役員がプレゼンをしていてもお菓子を食べていたり、フランスの社員食堂にワインが置いてあったり、イギリスでは10人中9人の人がベビーカーを持っているお母さんを手伝う、といったことです。
  • グローバルビジネスの場で働くには、文化の違いに悩まされることも多いと思いますが、やはり異文化を理解し、相手の立場を尊重しながら受け入れていくことが大切だと思いました。
  • ヨーロッパの子供の育て方に感動しました。子供には何かを一方的に与えるのではなく、自分で考えさせて行動させる教育法です。日本の周りに合わせる文化の良さもありますが、自分で考え意見をはっきり言うことは大切だと思いました。
  • 日本はルールなどに対して柔軟性に欠けているという外国人の意見に共感しました。
  • 欧米人はどういうときに仕事にやりがいを感じるか:1)大きな仕事が一段落したとき、2)仕事を評価されたとき、3)人に感謝されたとき、という点が面白かったです。
  • 特に印象に残ったことは、3番目の「人から感謝されたとき」でした。このことから、自分が何をやりがいにしてこれから仕事をしていきたいのかが少しわかった気がしました。