
「社会規範とマナー」という授業は、児童教育学科が独自に設定した科目で、学科の教員全員がオムニバス形式で行います。一年生の春学期に開講しており、小学校教員になる上で知っておきたいさまざまマナーを学ぶことを目的にしています。
6月27日(水)のテーマは「音楽文化におけるマナー」でした。とくに、音楽会鑑賞におけるマナーと、音楽稽古(レッスン)時のマナーを学びました。音楽会については、クラシック、歌舞伎、能、ライブ等さまざまなジャンルごとに、拍手や掛け声などをはじめとした独自ルールを学びました。さらに、ドレスコードや持ち物、飲食可否についても考えました。また、音楽稽古(レッスン)時については、教えを請うための立ち居振る舞いや、楽器を扱うにあたっての注意事項なども検討しました。
最後に、冒頭で学んだことを踏まえて、生演奏を鑑賞しました。演奏は、ソプラノ歌手の田中樹里氏をお招きしました。田中氏は、東京藝術大学および大学院を卒業されており、オペラや演奏会などでご活躍されています。この日は、シューベルト作曲「Ave Maria」やジョルダーニ作曲「Caro mio ben」などの聴き馴染みのある外国歌曲をはじめ、小林秀雄作曲「落葉松(からまつ)」や滝廉太郎作曲「花」などの日本歌曲も披露していただきました。最後に、プッチーニ作曲オペラ「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父様」という有名なオペラアリアを歌っていただきました。
学生たちは、ソプラノの歌声を生で聴く機会がほとんどありません。マイクなしで研心館ホール全体に響き渡る豊かな歌声に、「第一声から鳥肌がたった」「表現力に圧倒された」などの感想が多く聞かれました。将来教壇に立つことを踏まえて、学生のうちからさまざまな文化に実際に触れることはとても大切です。マナーや規範は、文化が生まれた国やその歴史から生まれます。これからも、学生たちが多様な文化に直に触れることができる機会を作ってまいります。
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オペラについてもお話いただきました -
華やかなドレスにもうっとり -
最後のお辞儀にも決まりがあります