人間学部児童教育学科4年次教職科目「教職実践演習」では、12月2日(月)に国際連合食糧農業機関・駐日連絡事務所長のンブリ・チャールズ・ボリコ氏をお招きして、講演会を実施しました。
ボリコ氏は、コンゴ民主共和国(旧ザイール)出身で、名古屋大学大学院国際開発研究科で博士(学術)の学位を得た後、国際連合食糧農業機関(FAO)に奉職されました。ローマ本部、ニューヨーク連絡事務所勤務を経て、現在は横浜にある駐日連絡事務所長を務められています。
ボリコ氏の講演内容は、FAOの取り組みや持続可能な開発目標(SDGs)、世界の飢餓と食品廃棄の現状についてでした。
その中で、食料援助物資が紛争地帯の人々の手に行き渡らない現状があること、世界中の人々を賄うのに十分な食料が生産されているのに、世界の食物の3分の1が廃棄されていること、また、食料廃棄が、食料だけでなく、ごみや地球温暖化の問題と密接にかかわっていることなどをお聞きしました。
さらに、自分で取り組めることとして、ボリコ氏自身も行っている「今日食べるものしか買わない」「賞味期限が切れそうなものから食べること」などをご紹介されました。最後に学生に向けて「食料廃棄を減らすために、今日からできることに取り組もう」というメッセージをいただきました。
学生からは「食糧問題の深刻さがよく分かった」「翌日から、嫌いな物も残さず食べるようにしている」「計画的に食材を買うようになった」といった感想が寄せられました。今回の授業は、世界的な飢餓問題・食料廃棄問題やSDGsについて、知り、考える上で貴重な機会となりました。
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FAOとSDGsとの関連についての説明 -
自分自身の取り組みについて熱く語るボリコ氏