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Department of Nursing さいたま岩槻キャンパス

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看護学科 2019年度春学期授業レポート「老年看護学領域における教育と学生の学び」

老年看護学は主に65歳以上の高齢者を対象にし、加齢によって生じるからだの変化・高齢者に発症しやすい疾病や心理・社会的な課題を扱います。そして一生涯、その人がより良く生きていくための方法を追求していく学問です。
そこで、目白大学看護学部老年看護学領域では、まず、1年生の秋学期に老年看護学概論、2年生の春学期に老年看護方法論、次いで3年生春学期では老年看護方法演習を学内で学修します。
これらの科目を修得した後、老年・在宅看護学実習Ⅰを病院で行います。さらに、最終学年の4年生になると、卒業研究に取り組み4年間の学びをまとめ上げます。

老年看護方法演習(3年生)
【4月】

3年生の4月から「老年看護方法演習」の授業はスタートします。内容は、高齢者のさまざまな課題をあきらかにし、課題解決にむけた看護計画(看護過程)を立案する方法を学ぶ、というものです。
今年は、パーキンソン病を患った患者さんの事例を用いて「看護過程の展開」を学習しました。そこでは、さまざまなからだや心の変化から、日常生活がどのように影響しているかを考えます。
次に、具体的な看護技術を習得していきます。はじめに、その患者さんにどのようなケアを提供すれば、より良く生活できるかを検討しました。この授業の特徴として、1・2年生で学んだ科目の知識と技術を総動員して演習をすすめました。

  • 実習前ということもあり、本番さながら真剣な表情です
  • わからないときはいつでも教員に相談し、一緒に考えてもらうことができます
【5月】

「老年看護方法演習」では、看護過程のほかに、高齢者に必要とされるケアの方法を学びます。この日は寝たままの患者さんの口の中をきれいにする技術(口腔ケア)と、食事介助の演習を行いました。

口腔ケアでは、学生同士で看護師役と患者役を行います。専用のスポンジを使用して、口の中をきれいにしました。患者役の学生は、高齢者の聞こえ方と見え方を再現するために特別な耳栓とゴーグルをつけました。学生は、ものが見えにくく、聞こえにくい中でケアを受ける高齢者の大変さを学びました。また、看護師役の学生は、口腔ケアの技術だけでなく、ケアをしながら患者さんとコミュニケーションをとる難しさも学びました。

口腔ケア:一つ一つの動作をしながら声をかけ、患者の反応をみてケアします。

食事介助の演習でも、患者役と看護師役を体験しました。看護師役は患者さんの目の高さに自分が合わせるといった視線の配慮や患者さんの姿勢が崩れないようにする工夫について学びました。 学生から、「技術だけでなく不快な思いをしないような声掛けや配慮の必要性を学ぶことができた」、「実習で生かしていきたい」、などの声が聞かれました。

食事介助:「座る位置が前だと恥ずかしいね」
患者さんが安全に快適に召し上がるには座る場所はどこがいいかな?
老年・在宅看護学実習Ⅰ(3年生)
【6月】

「老年・在宅看護学実習Ⅰ」では、3年生が東京都清瀬市にある国立病院機構東京病院と埼玉県蓮田市にある国立病院機構東埼玉病院の二つの施設で実習を行います。学生は、一人の患者さんを受け持って実習します。
本年度は、23名が6月3日(月)から13日(木)の2週間で病院実習を終え、実習のまとめとして合同カンファレンスを行いました。各自学んだことを実習目標に照らし、実習グループとは異なる友人と新たなグループで、学びの内容を整理し発表しました。
「高齢者の方に看護を提供するときに必要なことは、その方の持っている力を生かすこと。」「この看護は、たとえ病気が治らなくてもその方の残りの人生に豊かさを与えるだろう。」と、患者さんの目線にたった学びがありました。
今回の実習で学んだことを、今後の看護に生かしていけることでしょう。

発表に対して、質疑応答を行います
卒業研究の中間発表会(4年生)
【8月】

「卒業研究」では、4年生が興味のあることをテーマにして、担当教員に指導を受けながら研究を進めていきます。4年生が前年度の秋学期から取り組んできた卒業研究の進捗(しんちょく)状況を、老年看護学領域担当の教員と3年生の前で発表します。4年生の中には先生方と3年生から鋭い質問を受け、今後の課題を認識できた良い発表会になりました。今は10月の卒業論文の提出に向けて、熱心に研究を続けています。

3年生も4年生の先輩の研究に興味津々で、積極的に質問をしていました