社会学部

メディア表現学科

Department of Media Presentation 新宿キャンパス

学科からのお知らせ

メディア表現学科が公開特別講演会を開催しました

11月25日(水)、新宿キャンパス研心館において、メディア表現学科が毎年恒例の公開特別講演会を開催しました。
今年度のテーマは『デザインにおける創作活動と著作権』です。

私たちの学科の名称は「メディア表現」。つまり、本学科はさまざまなメディアを用いて、何らかの形で表現に寄与できる学生を育てることをねらいとしています。新聞・雑誌づくり、テレビ視聴の分析、音楽研究、ローカル・メディアやソーシャル・メディアの調査、テレビ番組・映像制作、デザイン・ワーク、アートの研究、エンターテインメント系の制作・研究、子どもと教育のデジタル・コンテンツ開発、システムデザイン構築など、学生は多岐にわたる領域で日々、学習を進めています。
毎年、本学科の公開特別講演会では、その中から旬の話題をピックアップしテーマを決定しています。今年度は、メディア時代に急速に注目を集め始めているウェブ・デザイン広告の分野と、それに付随して注意しなければならない画像をめぐる著作権分野でご活躍中の若手スペシャリストお二人を講師としてお招きし、それぞれ『デザインのいま――Web Designの現場から』、『デジタル・メディア時代の画像著作権について』と題してご講演をいただきました。

メディア表現学科が公開特別講演会を開催しました_1

第1部の『デザインの今――Web Designの現場から』には、(株)博報堂アイ・スタジオでアートディレクターを務めておられる池田朋矢氏にご登壇願いました。さまざまな企業の要請に応えて作成した広告を多々ご紹介いただきましたが、その多くがウェブ上でインタラクティブに操作のできる、エンターテインメント性の強いコンテンツでした。見るもの、見せられるもの、物品販売・ブランドの浸透戦略であることを超えて、広告が日常の環境の一つとなる新時代に入ったことをあらためて痛感させられました。
たとえば、世界じゅうの子どもたちの支援を目的に活動している機関へ提供したコンテンツでは、ウェブの画面にキャラクターなどを描き込むと、その作品一つにつき100円が、きれいな水の不足に悩む地域の給水事業に寄附される仕組みになっています。世界じゅうの人たちが、子どもも大人も、タブレット画面などを通じて「お絵かき」を楽しんでいるうちにコンテンツの世界観に共感し、しかも子どもたちの役にも立てる。デジタル時代ならではの広告デザインの面白さと社会性が伝わってくる45分間でした。

メディア表現学科が公開特別講演会を開催しました_2

第2部の『デジタル・メディア時代の画像著作権について』は、(株)ゲッティイメージズのアカウント・マネージャーの増間毅氏にご講演をお願いしました。私たちは、今、画像の氾濫する時代に生きています。地球上の人間25億人が1年間で150枚の写真を撮ると想定すると、年間で何と約3兆枚! そのような画像のひしめく広大な海に浸かりながら、私たちは、いったいどの画像を利用し、どの画像を利用してはいけないのか、的確な判断が求められます。
増間氏が紹介されていましたが、「著作権にリスク・ゼロはない」(福井建策弁護士談)のです。なかでも印象的だったのは、オバマ・キャンペーンのポスターで一躍名を上げたグラフィティ・アーティストのシェパード・フェアリー氏の例です。キャンペーンそのものは大成功したものの、AP通信社の写真を無断流用したかどで300時間の公共奉仕と、250万ドルもの罰金を科せられたといいます。著作物の価値を知り、それに対し敬意を表すること――増間氏は、画像著作権の肝はもっぱらそこにあり、それさえ忘れなければ、著作権侵害行為は防げると強調されていました。著作権者の立場を思えば当たり前のことですが、画像の海に溺れるうちに忘れてしまいがちです。気をつけなければいけないことと、再認識することができました。

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お二人のご講演の後、第3部として、本学科のデザインを専門とする教員である安楽豊教授、兼坂章准教授の両名も加わって、パネルディスカッションを開催するとともに、フロアを交えて質疑応答に入りました。短い時間でしたが、講師のお二人が学生時代に試行錯誤したこと、卒業後に歩んだ道などについてお話しいただくとともに、入社後の貴重なエピソードなどもご披露いただきました。

そして最後に、これから社会に巣立って行く学生たちに、池田氏より次のような素敵なメッセージがありました。
「学生時代には好きなことをやっていた。でも、入社後はそんなことばかりはしてはいられない。そんななかで、上司たちとその仕事が輝いて見えたことが日々の仕事のモチベーションとなった。あの輝きに向かっていこう、という意識を持ち続けることで、未来に向けて、夢や希望が抱けた。ただ、怖くもあった。恐れもあった。仕事の醍醐味って、そこにあるのかもしれませんね。」

参加したメディア表現学科の学生が、多くのものを学びとったと確信できる2時間15分でした。お二人にあらためて御礼を申し上げるとともに、本企画の実現に際し全面的なご協力をいただいた(株)博報堂アイ・スタジオの秋谷寿彦氏、(株)ゲッティイメージズの持家学氏に深甚なる謝意を表します。
(メディア表現学科公開特別講演会企画担当教員・小林頼子記)