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耳より小話【その7】

失語症や高次脳機能障害について

当院では失語症や高次脳機能障害の方々に対して専門的な支援を行っています。

失語症とは

失語症とは、脳梗塞・脳内出血などの脳血管障害や事故による脳外傷などによって大脳の言語をつかさどる部分が損傷され、言葉を聞く、話す、読む、書くということばの基本的な機能が損なわれ、コミュニケーション能力に影響を与える後遺症です。下記の高次脳機能障害の一つでもあります。

主な症状
  • 1.適切な言葉が出てこない: 伝えたい内容があっても、適切な表現が出てこなかったり、言い間違えたりします。
  • 2.理解の難しさ: 話し言葉や文字で書かれた内容を理解しにくくなります。
  • 3.書くことの困難: 文字が思い出せなかったり、書き間違えたりすることがあります。

※声が出ない『失声症』や、発音が上手くできない『構音障害』とは別の症状です。


高次脳機能障害とは

高次脳機能障害は、脳の前頭葉や側頭葉など、高次の認知機能を担当する部分が損傷されることで生じる障害です。思考力、判断力、記憶、注意力、実行機能などが影響を受け、生活に様々な影響が生じます。

症状の例
  • 1.遂行機能障害: 計画を立てたり、効率よく柔軟に物事を行ったりすることが難しくなる、指示をされないと行動できない、何かをする際に優先順位が分からなくなる、など。
  • 2.注意力障害: 集中力や注意が続かない、気が散って落ち着かない、ミスが極端に増える、など。
  • 3.記憶障害: すぐに忘れてしまう、新しいことを覚えられない、など。
  • 4.社会的行動障害: すぐに興奮したり怒ったりする、意欲が低下する、一つのことにこだわる、など。

失語症をはじめとする高次脳機能障害のある方が生活の質を向上させるためにはリハビリテーションが必要不可欠です。しかし、現れる症状や程度は脳の損傷された部位により様々で、個人差も非常に大きく、患者さん一人一人に合わせた対応が必要です。

当院ではご家族や介護者の方への情報提供も含め、患者様の生活の質を向上できるように専門的なリハビリテーションを行っています。
失語症や高次脳機能障害に関するお悩みやご質問があれば、お気軽にご相談ください。