保健医療学部

言語聴覚学科

Department of Speech, Language and Hearing Therapy さいたま岩槻キャンパス

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言語聴覚学科「言語聴覚療法基礎演習」で言語聴覚療法を受けた方やご家族によるオンライン講義を行いました

  • リモートでの質疑応答

6月3日(木)、保健医療学部言語聴覚学科の専門科目「言語聴覚療法基礎演習(1年次)」の授業で、言語聴覚療法を受けた当事者の方やご家族からお話を伺いました。
失語症となり言語聴覚療法を受けたお二人は、ご自宅とさいたま岩槻キャンパスをリモートで結んで、オンライン講義をしていただきました(数日前にお二人で予行演習をしてくださったとのことです)。言語発達に遅れがあったお子さんのお母さまと、失語症その他の高次脳機能障害のある方のご家族は、事前に収録した動画での講義でした。

当事者のお二人は、働き盛りの頃に脳梗塞を発症し失語症となりました。
失語症とは、脳卒中などによって、聞いて理解する、言いたいことを話す、読んで理解する、書く、という言語のすべての側面がダメージをうける後遺症で、全国には50万人もいると推定されています。
お二人は、失語症によるさまざまな困難を乗り越えて復職に至った経過や、当時の言語聴覚療法などについてまとめたパワーポイントの自作資料をもとに講義しました。また、「言語聴覚士との練習は復職に役立ち感謝している」「言語聴覚士という言葉を聞くと安心できる」「失語症のある方にとって、言語聴覚士は一番理解してくれる存在」とのお言葉もいただきました。さらにお一人の方は、通院中の病院で、この4月に就職した当学科の卒業生と再会し「うれしい気持ちで一杯になった」というご報告もありました。

ことばの発達に遅れがあったお子さんのお母さまは、言語聴覚士に出会ったことで、「不得意なところだけみるのではなく得意な力を伸ばす」という考え方ができるようになって、不安だった気持ちがとても楽になり「言語聴覚士に出会えたことは幸運だった」と振り返ってくださいました。

失語症を含む高次脳機能障害のある方のご家族は、退院直後はコミュニケーションが取れず、周囲の理解も得られず大変だったが、「言語聴覚士の優しい言葉は救いだった」と当時を振り返り、ご自身と同じように困っている失語症や高次脳機能障害のある方やその家族のために、他のご家族と協力してNPO法人を立ち上げた経緯についてもお話ししてくださいました。

1年生は、4人の貴重なお話を伺い言語聴覚士が果たせる役割ややりがい、言語聴覚士いう仕事の重要さを感じて、言語聴覚士を目指す意欲がさらに高まったことと思います。

  • ご家族からの貴重なお話
  • 耳を傾け、真剣にメモを取る学生