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耳より小話【その6】

睡眠時無呼吸症候群

  • 家族や周囲からいびきがうるさい、睡眠中に呼吸が止まっているなどと指摘されることはありませんか?
  • 充分な睡眠時間を取っているにも関わらず、慢性的に日中の強い眠気、起床時の頭痛や体のだるさを感じることはありませんか?

睡眠時無呼吸症候群 (Sleep Apnea Syndrome: SAS)とは

イラスト1

最近、質の良い睡眠が話題になっています。質の良い睡眠には栄養バランス、運動習慣やストレスなど色々なことが関係します。その妨げになる原因の一つに睡眠時無呼吸症候群があることはご存じですか?
睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や心臓・血管系の病気や生活習慣病とも関連があると言われます。交通事故の事故率は約2倍以上にもなるといわれ、公共の安全性にも影響する病気です。適切な治療で改善することが多く、専門医療機関の受診が必要です。

睡眠時無呼吸症候群の原因

1.睡眠中に空気の通り道である気道が塞がるために起こる閉塞性
肥満、舌の根元が落ち込む舌根沈下、小さい顎、飲酒や睡眠薬の服用などがあります。小児ではアデノイドや扁桃が大きい(扁桃肥大)などで無呼吸を起こします。

2.脳出血、脳梗塞で呼吸を調整する脳の呼吸中枢の働きが低下するために発生する中枢性
中枢性の睡眠時無呼吸は心不全で合併することが多いです。

睡眠時無呼吸症候群の検査
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  • 簡易アプノモニター検査
    鼻と口での呼吸の状態と血中の酸素濃度を測定します。軽量な器械を貸出し自宅で測定センサーを付けて睡眠中に測定します。
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  • ポリソムノグラフィー(PSG)検査
    呼吸状態、血中酸素濃度と脳波や筋電図なども同時測定します。1~2泊の入院が必要です。
睡眠時無呼吸症候群の治療
  • マウスピース
    軽・中等症の場合はマウスピースを用いて治療を行う。
  • CPAP(持続陽圧呼吸療法)
    重症の場合はマスクを装着し、持続的に空気圧をかけて気道が閉鎖しないようにして就寝する。

    *マウスピースやCPAPマスク使用時は、鼻呼吸が大切です。アレルギー性鼻炎や鼻づまりのある方は耳鼻科で治療を受けてください。
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  • 小児はアデノイド・扁桃腺の手術を行う

睡眠時無呼吸症候群を心配されている方は、簡易アプノモニター検査CPAP療法を行っています。当クリニック医師にご相談下さい。

簡易アプノモニター検査

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鼻、口と指にセンサーを装着して、就寝時に検査を行います。10秒以上呼吸が止まる「無呼吸」と、呼吸が弱くなる「低呼吸」をカウントし、呼吸の状態を測定します。

睡眠中に無呼吸になると低酸素状態になるため、指センサーでは血中の酸素濃度も測定します、1時間中の無呼吸・低呼吸から睡眠時無呼吸症候群の重症度を判定します。

当クリニックでは軽量の簡易アプノモニター器機を貸し出し、自宅で3日間睡眠時に検査し、返却後に解析しています。

アプノモニター検査データ例

アプノモニター検査データ

睡眠時無呼吸症候群の治療法のひとつ
持続陽圧呼吸療法(CPAP)

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睡眠中は鼻に装着したマスクから適切な圧力をかけた空気を送り込み、気道を確実に広げ、気道がふさがらないようにします。

10秒以上呼吸が止まる無呼吸と、呼吸が弱くなる低呼吸が、1時間中5回以上繰り返されると睡眠時無呼吸症候群と定義されます。

CPAP療法を継続して行うと無呼吸や低呼吸の状態が徐々に軽減され、いい状態で呼吸が管理されます。月1回受診し睡眠時の無呼吸や低呼吸の状態を解析し、診察しています。

多忙や遠方で受診できない場合は遠隔でもデータを受信することができ、呼吸の状態を管理することもできます。しかし、2か月に1回の受診は必要です。
CPAP療法を開始した患者さんから"さわやかな朝を迎えられました"と、劇的な効果を実感されている方もいます。
睡眠時無呼吸症候群を心配されている方、当クリニック医師にご相談下さい。