新宿図書館

第1回 読書ディスカッション

読書推進プログラムの番外編として新宿図書館主催の「読書ディスカッション」が企画・開催されました。
各自題材となる図書を読み解いた上で、学生と教職員が世代を越えて議論するというものです。

「読書ディスカッション」第1回目

【日時】 平成23年11月29日(火)
【会場】 目白大学新宿図書館
【題材】 『君たちはどう生きるか』 吉野 源三郎著 (岩波文庫)


 読書推進プログラムの番外編として図書館主催でディスカッションメンバーを募集し、その第一回が11月29日(火)に開催されました。吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』(岩波文庫)を読み解いてのフォーカス・グループ・ディスカッションです。12月開催予定のシニア社会学会と共催のディスカッションに向けた論点整理の意味もありました。
 講義が全て終了した午後6時から2時間30分間、私たち有志学生と経営学部安田教授、そして図書館長山西教授、山上マネジャーが参加され、世代を超えた熱いディスカッションが展開されました。
 当初、私はこのディスカッションに参加する気が一切ありませんでした。学生同士で語り合う機会なら山のようにある、頻繁に参加することとなれば面倒だと考えていました。
 しかし、思いもしなかった事を耳にしてしまいました。シニア社会学会の方々がディスカッションに参加される。学会だ!私は生まれてこの方、年齢の離れた学識のある方々と何かについて真剣に議論をしたことなんて一切無かった。これはチャンスだ。利用しない手は無い。私は早速、題材となっている図書を購読し、参加申し込みをしました。
 第一回目のディスカッションに参加し感じたものは、日頃得難い充足感です。怠惰な生活の中では得られなかった、心が満たされる感覚。真剣な議論はこんなにも素晴らしいものであるということを知りました。 自分の意見や計画を押し通すための議論は頻繁に目にします。しかし、真理を求め全ての参加者が他者の異なる意見にも耳を傾け、新たな思想へと発展させてゆく。このような素晴らしい議論は少ないように感じました。私欲の介入しない議論こそ、真に素晴らしい議論であると私は思います。
 参加した学生の感想に共通しているものがあるので、ここに概要を一部紹介します。

  • 自身の人生について深く考えされられた
  • 今まで当たり前だった生きることについて再考する良い機会となった
  • 現在、出会い、吸収した様々な意見や考え方は、これからの人生に大きな影響を与えるだろう
  • 生き方とは、いつも自分自身で行動した結果を積み重ねていくものだと思った

それぞれが共通して、生き方についての感想を持ったのがわかります。
 人生の最後の瞬間にやり残したことや、後悔しているようなことがあればそれはもう、どうにもならない。親に胸を張って話せるような人生であったか。我が子に素直に話せるような人生であったか。
 どのように生きれば満足のゆく最期を迎えることができるだろうか。
 早くから自分の生き方について考えてゆくことは、良い一生を歩む上でとても大切なことであると私は考えています。題材となった『君たちはどう生きるか』という本と今回のディスカッションは、若い私達に人生について考えるきっかけを与えてくれました。それは、とても素晴らしいことではないでしょうか。 次回のシニア社会学会の方々を交えたディスカッションは、更に充実したものになるでしょう。
 次回へ向けて更に読み込もうと意気込んでいる学生がいることからも、より深く、濃い内容になることが予想できます。どれほどの充実した時を過ごせるか。どれほどの収穫があるか。今から楽しみです。

経営学部経営学科
1年 吉田一紀