グローバル2025.9.25
挨拶言葉は万国共通?!
#日本語教育 #挨拶言葉 #外国語 #異文化
「ありがとう」と言われたら、あなたは何と応答しますか?
語学の勉強はどの言語でも挨拶から始まりますね。日本語教育でも初日は「こんにちは」や「ありがとう」から始めます。
例えば、感謝の場面を教室で再現して、プレゼントをあげたりもらったりして、「ありがとうございます」「どういたしまして」を繰り返し指導します。学生たちはすぐに使える言葉なので楽しそうに練習します。そんな学生たちを見ると、私も教えることが楽しくなります。
ある学生は授業後すぐ使ってみたくて、コンビニに行きました。コンビニの店員が「ありがとうございます」と言った時、「どういたしまして」と自信を持って大きな声で言いました。ところが翌日私に訴えてきました。コンビニの店員に変な顔をされたというのです。あなたなら、コンビニで何と応答しますか。
学習者とのやりとりの中に研究や教え方のヒントあり!
学習者とのやりとりは日本語を深く知るチャンスです。
Q1.コンビニでどう言えばよかったのか。ある研究者によれば、道を教えてもらった時の日本人の応答の約半数が笑顔で無言だったそうです。ですから、コンビニのような簡単な行為に対しては無言でも大丈夫なんですね。
Q2.なぜ学生は「どういたしまして」と言いたかったのか。学生の母語について調べてみましょう。欧米の言語では"Thank you."" You're welcome."がセットになっていて、無言というチョイスがないようです。学習者の母語を知ることも大切ですね。
Q3.日本語でいつ「どういたしまして」というのか。これはまだ研究している人はいないみたいですよ。皆さん、ぜひ調べてみてください。
金庭 久美子
教授
外国語学部 日本語・日本語教育学科
日本語教師として長年日本国内で日本語教育に携わってきました。留学生の日本での面白い経験を聞くのが楽しみです。授業でも留学生の面白い話を小話としてお話ししますよ。研究テーマは聴解教育です。現在は会話の際聞き取ったことに対してどう応答すべきかについて研究しています。またメール文にも関心があります。学生たちのメール文を見ていると新しい発見があります。









