医療2026.6.26
発達するために必要な「原始反射」って、知ってますか?
#運動発達 #原始反射 #作業療法 #理学療法
目で見て触れるための、非対称性緊張性頚反射(ATNR)

「ヒト」が正常な運動発達を獲得していく過程で、「原始反射」と言われる反射が必ず出現し減弱(消失)していきます。これらの反射は、発達に必要な機能・能力をサポートし、必要がなくなると抑制するように働きながら消失します。
私の好きな、非対称性緊張性頚反射(Asymmetrical Tonic Neck Reflex)を例にしてみます。画像のように、頭を左右どちらかに向けると、顔面側の上下肢(手と足)が伸びて反対側の上下肢が曲がる反射のことです。これがあることで、音がしたり、興味のあるものを目で追いかけ頭が回旋したときに、顔が向いた方の手が伸びるので、その対象物を手に取ることが出来ます。
人が道具を使うための機能を発達させていくきっかけを作ってくれる反射ですね。
原始反射はなぜ消える?
原始反射は、一説には生存本能のための防御スイッチであって、次の発達のために、自身で抑制していかなければなりません。
前述の「ATNR」ですが、向いた方の手が伸びることで寝返るのを妨げます。うっかり、コロコロっと転がらないので、まだ我々の祖先が水平でないところで子育てをしていたころ、赤子が転がっていかないように必須なスキルだった。なんて嘘かホントか言われています。そして、実際に寝返りを獲得する4~6か月頃に、寝返りをしようとしたときに「ぎゅう」っと腕を曲げ始めて徐々に反射は減弱していきます。
正常な運動発達の過程では一部の原始反射を除いて消失していきます。一方で原始反射が残存しているのは、脳の病気や障害を示唆していると考えます。作業療法士や理学療法士は、子どもの「原始反射」を見て運動発達の分析をします。
安井 宏
准教授
保健医療学部 作業療法学科
作業療法士になって、ずっと小児作業療法が専門です。
1回こっきりの人生、やり切って反省する!という信条で日々過ごしています。
今は挑戦していることが二つ。
1つは、若手(目白大学卒業生を含む)の作業療法士、言語聴覚士、理学療法士と一緒に、児童発達支援・放課後等デイサービスの運営を始めました。もう1つは、パラスポーツの支援。アーチェリー競技を通して、健常者と障害者の交流を学生と一緒に行っています。









