ビジネス2025.12.1
社会の羅針盤としての観光まちづくり!
#観光 #まちづくり #地域活性 #フィールドワーク
観光まちづくりの目指すところは地域住民の満足度を高めること
観光は、観光者である私たちが楽しむもの、と考えますよね。でも、私たちが観光地に押しかけすぎたり、好き勝手な行動をしたら地域の人たちの暮らしはどうなってしまうでしょうか?
現在の日本の社会課題は少子高齢化、人口減少です。そのような中で地域の元気を保つには、観光者がその地に訪れ、ファンになり、再訪してもらったりすることが重要と言われますが、何よりも観光者を受け入れる地域住民が自分たちのまちに多くの人に来てもらいたいという愛着、誇りを持つことが前提にあるはずです。
それゆえ、観光まちづくりの目標はやみくもに観光者数を増加させることだけではなく、最終的には地域に住む人たちの満足度を高めることにあります。その点を踏まえ、皆さんが住んでいる地域、ニュースやSNS等で目にする地域の取組みに目を向けることで、社会の現状や課題等の輪郭が見えてくるはずです。
観光に関する幅広いアプローチの起点となる"地域の現場"での体験
なぜ、私たちは観光をすることができるのか?と考えると、実はとても複雑です。ですが、その分だけ学びの裾野は実に広いものです。
例えば、「①観光資源」があることはもちろんですが、SNS等での「②情報」、「③交通」手段がなければ、その地域には辿り着けませんし、宿泊施設や飲食店等の「④サービス施設」やイベント等を支える「⑤運営主体」がなければ、その旅行は楽しめないでしょう。この5つの点のどこかに興味を持ってもらえれば、皆さんなりの観光の学び方が見えてくることでしょう。
また、日常的に実感する"円安だから海外旅行に行きにくい"、"紛争地域には行きにくい"という感覚は、観光と経済、政治、国際関係を深掘りしていく入り口、つまり観光から社会を学ぶきっかけにすることもできます。
観光の学び方は実に多様ですが、いずれも今の社会や地域の課題を学ぶことにつながっています。その起点は、皆さんが、日々生活している地域、何気なく訪れる地域、観光地等で目にしたこと、気になったこと、つまり、"地域の現場"での体験から見つけることができるかもしれません。
高久 聡司
准教授
社会学部 地域社会学科 観光・まちづくりコース
学生時代から学校の校庭や公園を市民で芝生にするNPO活動に関わり、まちづくりにかかわる市民をテーマに社会学的に研究をしてきました。いまや、まちづくりと観光が結びつく時代であることを実感し、社会学をベースに市民が元気になる観光まちづくりのあり方を研究しています。学生のポテンシャルを開花させるためのコミュニケーションを取り続けることを教育のモットーとして日々、汗を流しております。









