リハビリテーション学研究科リハビリテーション学専攻

2017年度修了(理学療法士/医療法人真正会 霞ヶ関南病院)

尾曲 真一 さん

人脈づくり 研究・実践 社会人
恩師との交流で得た気づきが研究者への1歩に

大学を卒業して以来、回復期から生活期までのリハビリテーション領域において、脳卒中や骨折などの患者さんに対する理学療法に従事しています。臨床に関わる中で転倒予防や介護予防の観点から、「自身の身体の動きを的確に認識できていると転倒しにくいのではないか?」という疑問を抱いたことがきっかけで、目白大学を卒業後も母校の先生に相談させていただく機会が頻繁にありました。そのたび、親身に応じてくださるだけでなく、先生の介護予防に関する研究のお手伝いをさせていただくようになりました。先生の研究に関わる中で多くの気づきと学びを得られた体験から、母校の目白大学大学院への進学を決意。大学院にて臨床の疑問を解決すべく、学術的な調査方法や研究の実践能力の向上を目指すほか、幅広い視点を身につけながら専門性を高めたいと考えました。

転倒予防の疑問を研究へと発展させて臨床に還元

大学院では地域で暮らす高齢者を対象として、自身の身体の動きに対する認識が将来の転倒発生にどのように関連しているかについて研究を行いました。先行研究において、転倒との関連に結びつくような明確な結果は見られなかったことから、転倒発生との関係性の解明に向けて研究を進めていきました。勤務先に併設されている健康増進施設の83名の利用者の方々にご協力いただき、データを収集して半年間の追跡調査を実施。収集したデータは膨大かつ複雑となりましたが、統計解析や結果を解釈するための検討を重ねました。自分自身の考えや論文の方向性に迷いが生じたときもありましたが、論文指導担当の先生のご指導をはじめ、職場の仲間からも多くの助言をいただき、調査結果を修士論文にまとめることができました。研究で得られた成果を臨床に還元し、身につけた研究方法論などを生かして、大学院を修了後も研究活動をさらに続けています。

リハビリテーションの各領域の視点で学びを深化

リハビリテーション学研究科では、理学療法・作業療法・言語聴覚療法という職域を越えたさまざまな専門分野の科目を履修でき、リハビリテーションの各領域で活躍する同級生と共に学べる点が大きな魅力です。臨床現場での悩みや疑問を同級生と共有してヒントを得られたり、ディスカッションの中で互いの考え方の違いにふれたり、想像以上に自分自身の視野を広げられたと感じています。働きながらの大学院生活であり、限られた時間の中での研究は苦労しましたが、同じ志を持つ仲間と励まし合いながら乗り越えたことは印象深いです。大学院で得られた貴重な経験を糧にし、後輩の育成やさらなる臨床での課題解決に貢献していきたいです。