日本企業の成長投資は、設備・研究開発投資金額が増加傾向にあるものの、人的資本への投資額(対GDP比)はきわめて低いレベルにあります。2010年代に英国が1.58%、仏国が1.15%に対して、日本は0.34%(内閣官房など,人的資本可視化指針の見直しについて,2025)。我が国は元々教育に力を入れてきたからこそ、高い経済成長を成し遂げてきましたが、今日の経済低迷は、教育投資の伸び悩みが根本にあるのではないでしょうか。
大学進学率で見れば、6割の人が大学に進学する時代ですが、より高度な専門知識が求められる時代です。大学院といえば、圧倒的に理科系の人たちが進学するものと捉えられてきましたが、先進国で求められているのは、今や社会科学系の高度人材の育成です。
中小企業庁では、「イノベーション・プロデューサー」を提示しています(2025)。これは中小企業に不足しがちな市場視点を補い、企業のコア技術と市場ニーズの「新結合」による新製品やサービスの事業化をリードする専門人材の役割に着目したものです。高度人材に求められる6つの能力には、構想力、マーケティング力、熱意・牽引力、技術への理解、チーム構想力、発信力があり、本研究科のカリキュラムが寄り添っています。
本学は、新宿や池袋、中野という大消費地の中で、小売サービスや製造業を中心に多様な企業の経営が行われている地域に隣接しています。学びが実務に直結した立地環境だからこそ、専門性を高めることのできるカリキュラムが高度専門人材としての価値を高めてくれます。気鋭の研究者と実務家が連携して、フィールド(現場)を常に意識し、理論と現場の動きを融合させ、学びを深め、社会課題の解決と経済成長をもたらす新たなイノベーション・トレンドの創出を目指します。

