
教員・先輩の声
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専門の領域について
会社や組織の中での人々の意識や態度、行動などについて研究する「産業・組織心理学」です。
例えば、
- 人々が生き生きと働ける職場の条件とは?
- どのような業績評価や処遇が効率性や生産性の向上につながるのか?
- 働く人の心と体の健康・安全を守るには?
といったことを研究します。
領域の中でも部門が分かれていますが、主に組織で働く個人や集団の心理や行動について研究する「組織行動」と、「キャリア」を専門にしています。
現在取り組んでいる研究とその概要
障害者雇用において、組織はどのような組織づくり、取り組みを推進するべきか?
(*特に障害者雇用を進める現場における、「差別のない組織づくりと、組織のパフォーマンス発揮の両立」「障害のある、ない従業員双方が生き生きと働ける職場づくり」に関心があります。)
- 組織文化や風土が就労者に及ぼす影響
(*組織風土、組織内政治、心理的安全性 等)
- 「生き生きと働くこと」にかかわる要因
(*ワーク・エンゲイジメント、ジョブ・クラフティング 等)
- 組織への新規参入者の社会化、適応
(*組織社会化、セルフ・モニタリング 等)
- 学生、就労者のキャリア発達
(*職業キャリア成熟、進路選択自己効力感 等)
学生への期待
社会人院生の皆さんの現場での問題意識や、課題解決に取り組んだご経験は、産業・組織心理学の領域で研究を進めるうえで大きな強みとなります。一方で、社会に広く受け入れられる普遍性や再現性の高い知見を生み出すためには、先行研究の知見から学びながら、テーマの理論的枠組みを明確にし、科学的アプローチに基づいて研究を進める態度が不可欠です。
院生の皆さんにはぜひ、ご自身のご経験を研究に生かしながら、そうした科学的思考・態度を身につけて修了していただきたいです。そして、理論と実践のバランスのとれた視点で現場の課題解決に取り組める研究者、実践家を目指していただきたいと思います。
研究指導について
私の研究室にいらっしゃる院生の多くは、フルタイムで働かれている社会人の方です。ご自身の現場でのご経験から取り組みたいテーマをお持ちの方が多いため、お一人おひとりの想いを尊重しながら、それを心理学の理論や知見、科学的アプローチと結びつけ、学術的・実践的意義のある形で研究していけるよう指導しています。
またご多忙な方が多いため、指導日や指導方法(対面、オンライン)、進め方については、その方のご事情やライフスタイルにあわせて柔軟に設定しています。
受験生へのメッセージ
研究室ではさまざまな現場経験をもつ院生の皆さんが、現場での問題意識やご経験をもとに研究を進めています。現場の問いから研究計画を立て、それを遂行し論文にまとめる過程は簡単ではありませんが、ご自身の問いが研究として少しずつ形になっていく過程ではきっとやりがいや充実感を感じられると思います。私自身も、院生の皆さんの問題意識や視点から多くのことを学ばせていただいています。産業現場に還元できる成果を生み出すことを目指して、一緒に研究を進めていきましょう。ご入学をお待ちしております。