リハビリテーション学研究科 リハビリテーション学専攻

教授

森 つくり Mori Tsukuri

専門の領域について

専門領域は聴覚障害学です。聴覚障害は医学的に「聞こえにくい、聞こえない」というだけでなく、乳幼児期から高齢期までのライフステージによって状況や課題はさまざまです。これまで教育学の観点から、小児期の言語・コミュニケーション発達や構音獲得、学習場面における動機づけの発達、それらを促すための指導法や養育者の態度、また、発達障害等を合併した聴覚障害児の評価法や指導法に関する研究に取り組んできました。

現在取り組んでいる研究とその概要

これまで行ってきた聴覚障害児の前言語期から児童期までの研究に加え、現在、青年期や成人期の聴覚障害者の障害認識やアイデンティティの問題、セルフアドボカシーやアサーションの獲得といった心理・社会面に関する研究を行っています。聴覚障害児者のライフステージに応じた生涯発達支援として研究を発展させていきたいと思っています。

学生への期待

日々の臨床現場やフィールドワークにおける小さな気づきや疑問の中にこれまで明らかにされてこなかった研究の糸口が必ず潜んでいます。それらに気づく感受性を磨き、粘り強く探求し、解決するための科学的方法論を学び、論理的に思考して答えを導き出していくといった積み重ねを楽しみ、長期的に研究を続けていくことのできる臨床実践家を目指してもらいたいと思っています。

研究指導について

社会人が対象ですので、臨床と研究のバランスをいかにうまくとれるかがとても重要です。まず、具体的で実現可能な研究計画を立て、研究の端緒や動機、テーマ設定(なぜこの研究が必要で、どのように臨床に生かせるのかといった研究導入)を大切にしながら研究を進めていきます。一つひとつの過程を丁寧に積み上げることで研究方法や論文の書き方などが身についていきます。また、個別指導だけでなく、ゼミでの発表やディスカッションを通して、研究者としての姿勢や能力を涵養したいと思っています。

受験生へのメッセージ

聴覚障害学分野(言語聴覚療法学分野)では、まだ明らかになっていないさまざまな症状やメカニズム、評価法、指導法がたくさんあります。ゼミでは一つひとつの症例研究も大切にしています。日々の臨床の中から研究を始め、行ってみて初めて遭遇する新たな気づきや発見が研究の楽しさです。