看護学研究科 看護学専攻

2016年度修了(訪問看護ステーション 代表取締役)

斉藤 京子 さん

研究・実践 社会人
地域看護について追究すべく進学を決意

訪問看護ステーション管理者、および代表取締役をしています。訪問や営業、レセプト、地域ケア会議の参加など、業務は多岐にわたります。近年では在宅で療養する患者さんが増加しており、地域で活躍できる看護師を目指そうと思うようになりました。目白大学大学院看護学研究科では、地域看護学(コミュニティ看護学)分野が確立されていることに魅力を感じ、在宅における看護が地域の中でどのような役割を担っているのかを掘り下げ、見識を深めたいと進学を決意しました。

仕事と学びを両立し知見を現場で活かす

在学中は子育てとも並行しながら、ケアマネジャーの資格を取得したり、訪問看護ステーションを自ら設立したりと、とても目まぐるしい日々でしたが、理解ある指導教員の先生をはじめ、多くの先生方の心配りと、深い知見から導かれる示唆のおかげで乗り越えることができました。忙しい中でも、大学院での学びを即、実践の現場に活かせることは、社会人学生の最大のメリットだと思います。ある時、理論の講義でよく腑に落ちないまま授業が終了してしまった内容がありました。後日、実際の援助の現場で先生が話されていたシーンを想起させる状況になり、そのときに初めて、先生の言葉の意味が自分自身に浸透してくるのを実感。学びの奥深さやありがたみを肌で感じ取った瞬間でした。

視野の拡がりや深い理解へと繋がった研究

研究テーマは「看護師が被災者である対象に手を当てて援助することへの思い」としました。東日本大震災直後に被災した人のもとへボランティアとして赴いた看護師が、直接手を当てながら援助を行なったのはどのような思いだったのか関心を持ったことがきっかけです。活動を継続する中で、看護師の思いが変化していくプロセスを明らかにしたいと考えました。在宅の現場では、時間的制約の中で看護師ができる援助は限られています。そんな中でも、看護師が手を当てて患者さんご自身のニーズに精一杯向き合うことの大切さや、真心を通わせ自分のできる看護を追求することの重要性に改めて気づかせてくれた研究となりました。今まで自分自身が理解できていなかった研究の意義やそのプロセスを丁寧に学んでいくことで、自分自身の視点が大きく変わり、多岐にわたる看護師の職務やアイデンティティについても広い見識を持つことができました。得られた成果は、現場での指導や、後進への教育の場面でも活かしていきたいと思っています。