リハビリテーション学研究科 リハビリテーション学専攻

2019年度修了(言語聴覚士/東海大学医学部付属病院勤務)

砥綿 敬史 さん

研究・実践 社会人
研究のプロセスを学び未来の展望が開けた

言語聴覚士として病院に勤務して5年が経った時、自信を持って臨床に取り組むため、研究を行って臨床へと結びつく根拠を得たいと考えました。専門的な指導を受けて研究を進めようとの思いから、言語聴覚療法分野の著名な先生方が在籍し、リハビリテーションの他職種を専門とする先生方による授業が受けられる目白大学大学院へ進学しました。社会人学生として学ぶ中で得られた知見をすぐに医療現場に生かせ、また研究の進め方やまとめ方など、論文執筆の一連のプロセスやその方法に関する知識を身につけたことで、自己研鑽へのモチベーションも大きく向上し、今後も研究し続けていくビジョンが見えました。専門性を究めるだけでなく、研究で得たものを社会に伝えることが重要であると改めて実感しています。

失語症の回復に向けエビデンスを確立したい

脳血管障害による失語症患者さんのリハビリテーションの技法における実証的な根拠を見出すため、患者さんに言語聴覚士の口の形を観察してもらうことで正しい言葉を引き出せるかについて論文を執筆しました。この手法には一定の有用性があり、そのメカニズムについても興味深い考察が得られました。また、さまざまな事項の検討を繰り返し、臨床力がさらに鍛えられたと思っています。現在は三次救急病院の神経内科病棟にて、主に摂食嚥下障害、高次脳機能障害、失語症の急性期の患者さんにリハビリテーションを行っています。急性期での対応が患者さんの予後に大きな影響を与えるため、日々の仕事にやりがいを感じています。研究から得られたエビデンスをリハビリテーションの現場に還元するため、今後も研究を進めていきたいです。