言語文化研究科日本語・日本語教育専攻

2016年度修了(日本語教師/学校法人東京国際学園 東京外国語専門学校)

大宮 明日香 さん

研究・実践 社会人
学習者の日本語能力向上を目指して専門性を磨く

日本語教師として現場で実践を重ねる中で、学習者が日本語習得に時間を要してしまう傾向にあると感じていました。私自身も学習者の日本語力を伸ばしきれていないと、指導においての課題に直面。そんな中、大学院で研究に取り組み、日本語教育の現場で生かせる実践的な知識や指導法を身につけたいと、進学を検討するようになりました。目白大学大学院は、長期履修制度や教育訓練給付制度があること、有職者に配慮したカリキュラムが整っていることで、仕事と学びを両立できる環境がありました。また、進学相談会に参加した際、日本語の教授法や言語学的・文化的側面に関する知識のみならず、日本語教育の現場の問題を掘り下げて学ぶことができ、実践に繋がる知見を修得できると確信し、目白大学大学院への進学を決めました。

社会人だから実現できた実践・研究の相互発展

専門学校で留学生に日本語を教えながらの学生生活でしたが、社会人も学びやすい夜間と土曜日に授業が実施されるほか、職場の理解に支えられて、勤務形態を変えずに社会人学生として学ぶことができました。共に学ぶ仲間には、現職の日本語教師、日本語教育に関わる方、外国人留学生など、多種多様なバックグラウンドを持つ学生がおり、第二言語習得理論からの言語教授や語学学習の見解について最先端の情報にふれることができました。そのような環境に大きな刺激を受け、有意義な学びの時間を過ごしました。また、大学院での学びを翌日には留学生の指導へ活用でき、指導法を検討する際の根拠を手に入れられたのは、社会人学生ならではの体験だったと思います。

学習者と日本語教師、それぞれの成長に寄与したい

変化し続ける留学生に日本語を指導するためには、教師の側面からも成長が必要だと実感。研究では日本語教師が成長に至るヒントを探っていきました。日々の授業や向き合っている留学生たちとの関わりを基盤に、ラウンドテーブル形式により実践での経験を語り合い、実践からの気づきや捉え直した内容を実践へと反映。その実践を省察して報告するという流れを複数回行いました。検証と考察を重ねていき、日本語教師が抱く教育に対する価値観や教育観へとテーマを絞り、論文を執筆しました。研究を経た今、留学生を指導する上で大切にしているのは、常に自分自身の実践を客観的に捉え直し、丁寧に振り返り、それによる気づきを指導に生かすことです。今後も日本語教師の力量の向上に貢献するため、成人学習論の観点からもアプローチし、教師の成長を深く追求していきます。