医療観察法病棟での作業療法分野の教育・発展に資する
心神喪失などの状態で重大な他害行為を行った対象者の方が、裁判所の決定により入院している医療観察法病棟で、作業療法に従事しています。医師や精神保健福祉士などの多職種チームで、作業能力や対人関係スキルなどに関する評価・介入を行う中で、退院に向けて患者さんに寄り添った支援を心がけています。
大学院在学中は、作業療法だけでなく理学・言語聴覚療法、クリニカルクラークシップ、人間作業モデルについて学ぶことができ、有意義でした。また、学生の意見や質問を積極的に取り入れた双方向の講義で、学生対教員という関係性だけでなく、同じ有資格者として議論を交わすことができました。ZoomやGoogle classroomなどを用いて資料の共有や指導教員とのミーティングがスムーズに実施でき、時代に即した学びの形態だったと思います。全国でも数少ない医療観察法病棟での作業療法分野における新人教育や作業療法技術向上に貢献したいと考え、同分野で作業療法士が現場での困難を克服し、やりがいを感じて働けるようになる過程を明らかにする研究を行いました。
現在は、学術誌への投稿、掲載を通して作業療法技術向上へ寄与するとともに、研究を継続していきたいと考えています。