講師:玉岡 賀津雄 (Tamaoka, Katsuo)
名古屋大学大学院人文学研究科 教授
- 日 時:2019年5月15日(水) 20:10~21:40
- 場 所:目白大学新宿キャンパス 1号館1305教室 交通アクセス
- 参加費:無料
<概要>
語彙の概念表象群はプロトタイプ的な概念からネットワークを構成しているといわれている。ある語について典型的なイメージがあることが典型性効果により示されている。しかし、階層構造的な語彙記憶は存在せず、概念のネットワークは、もっとおおざっぱな広がりを持つようである。また、外国語として日本語(あるいは英語など)を学習すると、原則として、概念ネットワークが2言語間で共有され、2言語の音韻、書字、統語表象群と密接に結合する。ただし、2つの言語の書字と音韻表象群および概念表象群の結合関係の強度には違いがある。講演では、日本語母語話者と外国語としての日本語学習者を対象とした「Xヲ+和語動詞」の先行研究を詳細に紹介して、調査方法と分析法について検討する。最後に、多義の和語動詞の基本義からの意味拡張による概念表象群の構成について、概念ネットワークの視点から議論する。
<講師紹介>
実験的手法により、語彙の音韻・書字・意味・統語情報、句および文構造などの言語処理に関して、母語話者および第二言語話者を対象に広範囲の研究を行っている。
"Individual mentalizing ability boosts flexibility toward a linguistic marker of social distance: An ERP investigation," Journal of Neurolinguistics, 2018; "Ambiguity in the processing of Mandarin Chinese relative clauses: One factor cannot explain it all," PLOS ONE, 2017; 「コーパス検索による様態と結果の副詞の基本語順の検討」『言語研究』, 2016;"Predicting lexical accent perception in native Japanese speakers: An investigation of acoustic pitch sensitivity and working memory," Japanese Psychological Research, 2015, 等、英文および日本語の論文多数。
ホームページ:tamaoka.org
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- 目白大学大学院言語文化研究科 研究科長 時本真吾
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