きっかけは「日本社会」を意識した瞬間

4歳のころ、祖父に「お箸を正しく持ちなさい」と教えられ、その言葉に対して、「日本に生まれたという理由だけでなぜお箸を使わなければいけないのか。そもそも、お箸の"正しい"持ち方はどこから来たのか」という問いが頭に浮かびました。そして私が日本の社会に生きる存在であることを感じた瞬間に抱いた「モヤモヤ」が、研究のきっかけでした。とても素朴で、生活の何気ない経験に、自分自身が生きていくために大事なエッセンスが詰まっていると思います。

"教育とは何か"を問い続けています

人が自らの人生を選択し、生きようとするとき、地域や教育には何ができるか、歴史や思想を手掛かりに問い続けています。「教育は当たり前のように学校で行われるもの」と考えてしまうと、それぞれの地域社会が持っている独自の教育文化が薄れてしまう場合があります。そこで、地域社会と学校をつなぐ教育のあり方を探り、地域で学ぶ意義や生涯を通して学ぶ意義について考えています。学校と地域社会でのフィールドワークを通して、数字では表せない情報から、人々の生活や生き様を描くことを目指しています。

テーマは「"人"から地域社会を考える」。フィールドワークを通して、そこで生きる人々の生活に目を向けます。特定の地域に対するイメージ・先入観と、現場でのリアルな体験・経験とのずれに出会い、なにが見落とされてきたかを探り、新たな考え方を見つけることがゼミでの活動です。主な卒論のテーマは、「地域社会における無料塾の役割」「音楽フェスにおけるオーディエンスの特徴」「東京ディズニーランド開園におけるアメリカ文化と日本文化の衝突に関する歴史研究」など、一見するとばらばらのテーマですが、「"人"から地域社会を考える」という共通性があります。

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さまざまな"ひと"と"地域"に目を向け、常識や先入観にとらわれず、ありのままにとらえてほしいです。また、たくさんの人と関わり、自分との違いを受け入れ、自分が変わることを楽しんでほしいです。学生にたくさん話してもらい、次の一歩を踏み出すためのアドバイスをし、後ろから見守っています。

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ゼミでは、学生同士で司会と記録を交代し、全員で運営する体制を作っています。役割分担して協力することを大切にしているので、フィールドワークやゼミ企画などでも、「やりとげよう」という雰囲気があります。学生からは「居心地がいい」、「メリハリがしっかりしている」、「話がメチャメチャ深くて大変だけど楽しい」などの声を聞きます。また、3年生と4年生のゼミを合同で行なっており、ヨコのつながりだけでなくタテのつながりもできる機会を設けています。先輩の背中を見て、影響を受けながら後輩が成長できる文化があるように思います。

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日常生活の何気ないところに大きな宝物が眠っています。"あたりまえ"だと思って見過ごしている日常の風景に、ぜひ目を向けてみてください。 そして、自分の頭の中で考えている他愛もない考えにこだわってみてください。それらが学びの第一歩です。

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ラグビーや囲碁の観戦の醍醐味は、何手も先を読んだプレーや一手が見られることです。毎回感動しています!
田邉 尚樹専任講師

ラグビーをしていた影響で、今でも筋トレは続けています。年々筋肉のつき方も変わってくるので、 コ ンディションを整えるためにその都度メニューを工夫するのが楽しいです。 4歳から始めた囲碁も好きで、対局観戦を中心に、詰め碁や棋譜並べなども時々やっています。

  • 田邉ゼミ ゼミ写真
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