8月19日(水)、外国語学部中国語学科の五十嵐隆幸准教授が、沖縄県町村議会議長会が主催する「町村議会正副議長・正副委員長研修会」において、「中国政治の現状と台湾海峡情勢―『台湾有事』をどう読み解くか―」と題して講演を行いました。
沖縄は台湾に近く、台湾海峡情勢への関心が特に高い地域です。講演では、まず習近平政権下の中国について、国内政治・経済・外交の現状を概観した上で、中国共産党にとって台湾統一が国家統一や政権の正統性に関わる歴史的課題であること、「平和統一」を基本方針としながら一定の条件下では武力行使を排除していない中国の台湾政策について解説しました。
後半では、近年広く語られる「台湾有事」について、「戦争が起きる可能性」だけでなく、「なぜ台湾海峡では70年以上にわたり大規模な戦争が回避されてきたのか」という視点から、米国の「二重の抑止」や台湾社会の「現状維持」志向など、台湾海峡の安定を支えてきたメカニズムを紹介しました。
さらに、「2027年侵攻説」が広まった経緯を検証し、中国軍の「能力」と実際に武力行使を決断する「意図」を区別し、最悪の事態に備えながらも、歴史的経緯や各国・地域の政策を踏まえて台湾海峡情勢を冷静に分析することの重要性を指摘しました。
今回の講演は、沖縄の町村議会関係者の皆さまと、中国政治や台湾海峡情勢への理解を深める貴重な機会となりました。

