外国語学部

英米語学科

Department of English Language Studies 新宿キャンパス

グローバル・ナレッジシリーズ

第23回:「バイリンガル落語の世界」

社会の第一線で活躍する方々を講師としてお招きし、経験や仕事についてお話しいただく外国語学部連続講座「グローバル・ナレッジシリーズ」。外国語学部の学生は、学科・学年を問わず聴講することができます。
4月13日(木)5時限の授業は、英米語学科長・柴田真一教授のアレンジのもと、ゲストスピーカーとして、外国人落語家の桂三輝(かつら さんしゃいん)氏をお招きし、「バイリンガル落語の世界」と題してお話しいただきました。

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カナダのトロント出身の桂氏は、トロント大学にて古典演劇を学んだ後、日本の伝統芸能である能に興味を持ち1999年に来日しましたが、落語の魅力に取りつかれて落語家になることを決意。2008年には六代桂文枝(当時桂三枝)に弟子入りし、戦後日本初、上方落語界初の外国人落語家として本格的な修業を開始しました。2013年にはカナダ大使館よりカナダ文化大使に任命され、同年に北米英語落語ツアー(カナダ、アメリカ)を開催。現在は、ロンドン、ニューヨークをはじめ、世界中で精力的に公演を行っています。
授業では、日本や落語界における桂氏自身の異文化体験を絡めた話が次々に飛び出し、熱気に包まれた教室全体が一瞬にして笑いの渦に巻き込まれました。桂氏は、外国人に日本のことを聞かれて思うように答えられない場面を想定し、学生たちに「答えられないことがあっても構わない。日本文化は奥が深いので、全部知ることなど不可能。自分が興味を持っていることを語ればいい」とアドバイス。日本語と英語の言語や文化の違いに改めて気づかされ、桂氏の温かい人柄と絶妙なトークに魅了されたあっという間の90分でした。

グローバル・ナレッジシリーズ
「バイリンガル落語の世界」の授業レポート
外国語学部英米語学科 3年 田中 ひなの

今回の講義は、カナダ人の落語家である桂三輝さんにお越しいただきました。
桂さんはニューヨークやロンドンをはじめ、世界各国で公演を行っている外国人落語家で、有名な六代桂文枝(当時桂三枝)のお弟子さんです。生の落語を聞くという経験が、私を含め多くの学生は初めてだったので、終始圧倒されました。
授業では、日本での公演と海外で公演する場合の違い、海外における日本のブームや、桂さん自身がなぜ日本の落語に惹かれたのかという点についてもお話をしていただきました。日本文化の一つでもある落語を世界の人たちに伝えたいという思いが感じられて、とても嬉しかったです。日本と海外の違いという点では、まくら(本題に入る前の話、導入部)を例に挙げ、日本独特の長いまくらを英語で言う場合と比較しながら説明していただきました。
私が一番印象に残ったのは、「日本は伝統もちゃんと残しながらモダンでもある」という桂さんの言葉と、それを海外にも伝えたいという熱い思いです。日本でも有名な「寿限無(じゅげむ)」が世界で大人気ということにも驚きました。
今回の講義は、日本の文化について改めて考えるきっかけにもなりました。本日は大変貴重なご講義をありがとうございました。

桂三輝 公式サイト