保健医療学部

作業療法学科

Department of Occupational Therapy さいたま岩槻キャンパス

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作業療法学科1年生が「障がい当事者からみた作業療法」についての授業を行いました

保健医療学部作業療法学科1年生の「作業療法学概論」において、障がい当事者であり、現在も外来で作業療法を行っている田中聡志氏を特別ゲストにお招きしました。

田中氏は20年前、仕事中に脳出血で突然倒れて緊急手術を受けましたが、左半身にまひが残りました。最初はリクライニング車いすでの入院生活でしたが、作業療法や理学療法を受けて、歩いて自宅退院できるまでに回復。その後、ご自身の経営する会社の社長業に復帰されました。

今でも「後ろから、まひ側の肩をトントンとたたかれても感じない。料理をしていて、左手を間違えてけがしてしまった時も、痛いという感覚はなかった。時計の文字盤を見ても、左側の数字が見えないという視野障がいも残っている」など、体験者だからこそ伝えられる障がいについて話してくださいました。

社会復帰のために体力回復をしなくてはならないとご自身で考え、経験のあった水泳にチャレンジしたいと考えていましたが、当時、周囲からは「溺れるからやめた方がいい」と言われたそうです。しかし、持ち前のチャレンジ精神で取り組んで、今では仕事のあとに毎日ジムで数百メートルを泳いで、障がい者水泳大会にも挑戦し、数々の記録を残すまでになっています。

授業が終わっても多くの学生が田中氏を囲んで、質問を投げかけていました。

<学生の感想>
  • 今日の講義を聴いて、患者さんに好きなことを見つけてもらう。そして、それを伸ばす作業療法士になりたいと思いました。
  • 今の担当作業療法士の方が水泳未経験だと聞き、基礎学習をしっかり行っていれば、自分は経験のない作業でも的確なアドバイスができるのがプロフェッショナル、という言葉が心に深く刻まれました。
  • リハビリテーションは、セラピストが勧めたことだけを行えばいいという事ではなく、ご本人がその提案に耳を傾けることも大切ですが、最終的には、自分自身の意志が重要だと気づきました。
  • 当事者の方しか分からないことを多く伺うことができたので良い経験になりました。
  • 田中さんの経験から、どんな内容のリハビリテーションでも、行う意味や目的を繰り返し患者さんに伝えることが大切だと学びました。

障がい当事者がどのように回復することができるのか、という教育は、通常の授業で扱うことは実は少ない内容です。今後もこのような機会を設けて、学生たちに貴重な経験をしてもらいたいと考えています。