保健医療学部作業療法学科1年春学期の「作業療法学概論」という授業は、入学後初めて作業療法学を学ぶ機会です。
この科目を担当している小林幸治教授は、対象者から見た作業療法に注目して調査を行っています。
この授業では、毎年当事者の方にゲストスピーカーとして参加していただいています。今年度は脳出血による片麻痺という障がいを持つ方が授業に来てくださいました。
この方は、企業人としての第一線に復帰されただけでなく、障害者水泳の第一人者としても活躍されています。学生たちはゲストスピーカーのお話に熱心に耳を傾けていました。
授業の中での質疑応答では、学生からの「もし水泳を再開できていなかったらどうだったと思いますか」という質問に対し、ゲストスピーカーは「今この場に来ていないと思います。今のようには生きられなかったと思う」と答えてくださいました。
授業後の感想では、「リハビリテーションのゴールは、医師主導のものから、当事者のやりたいことやなりたい自分に根差したものに変わると感じました」「実際、障がいを持っている人の話には説得力があります。将来、どのように患者さんに接するべきなのかを考える貴重な時間でした」「とても深い意味がある言葉でした」「言葉の裏にどんな価値観で生きているのかが表れると思いました」などが寄せられました。
学生たちにとって、作業療法に対するより具体的なイメージがついたようです。
1年生はまもなく、夏季休暇中に担当教員の引率の下で、初めて臨床実習に出ることになります。そこでも、良い経験をしてくれることを願っています。