6月2日(月)、人間学部人間福祉学科の3年生必修科目「福祉と人権」の授業で、日本社会事業大学名誉教授の古屋龍太氏をお招きし、「精神医療の社会的入院と人権を考える~精神国賠訴訟を通して~」について講義していただきました。
講義では、国の精神医療施策によって精神病床数や平均在院日数などが諸外国に比べて突出して高く、長期の社会的入院を生んできた歴史について説明がありました。また、こうした日本の精神医療施策そのものを問う国家賠償訴訟の取り組みについてもお話しいただきました。
最後に古屋氏は「『福祉と人権』は隣り合わせ。現場でもやもやを感じたら、おかしいことはおかしいと言える人になってほしい。静かに闘い続けるソーシャルワーカーになってほしい」と学生たちにメッセージを下さいました。この言葉は多くの学生の心に残りました。
学生のリアクションペーパーからは、
- 「精神医療が『治療』よりも『管理』や『収容』に傾きすぎている現状に対し、社会全体が無関心であったことも問題であり、専門職や一般市民一人ひとりが『見て見ぬふり』をせず、人権を守る視点を持つ必要があると学んだ」
- 「今回の授業を通して、福祉のソーシャルワーカーが人権を守りながら支援をする職業としての役割を強く意識する必要があると感じた。どんな状況にあっても、その人が一人の人間として尊重される社会をつくることが、私たちソーシャルワーカーを学ぶ学生として必要だと感じた」
など、深く考える機会になったことがうかがえました。