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実習先には教員が出向いて巡回指導を行います
人間学部人間福祉学科 精神保健福祉士課程の4年生は、5月から10月の間に210時間以上の実習を行います。具体的には、精神科のある医療機関で12日間90時間以上、さらに精神障がい者社会福祉施設や関連する行政機関(市役所や保健センターなど)などで16日間120時間以上、計2か所で実習を行います。
<精神科医療機関での実習>

さいたま市認知症疾患医療センターなどを併設しています
精神科病院の実習では、外来のデイケアという通所リハビリテーションプログラムに参加し、患者さんと活動します。また、病棟のデイルームでは入院中の患者さんと話をしながら、悩みや困っていることだけでなく、その人の強みについても理解を深めます。さらに、精神保健福祉士は、初めて精神科に受診されたご本人やご家族との面接を医師の診察の前に担当することがあるので、そこに同席させていただくような実習も行います。
初回の面接で、どのような対話でご本人を理解し、安心して医療につなげることができるかなどを学びます。その他にも、退院に向けての面接やカンファレンスへ同席し、ご本人の思いを受けとめ、家族や関係機関とどのように協力し希望に寄り添っているかなどを学びます。
<精神障がい者社会福祉施設での実習>
就労支援事業所では、パンやお菓子の製造、印刷、軽作業などのさまざまな事業所で利用者の方から仕事を教えていただきます。一緒に仕事をする中で、ご本人の話に耳を傾け、利用者の方が自分の強みを活かして仕事に取り組まれていることや精神疾患を持ちながら工夫して生活されていることなどを理解します。
実習先の就労継続支援B型事業所JHC大山では
駄菓子屋と公園清掃などのお掃除の仕事を行っていますJHC大山の駄菓子屋店内には毎日、
多くの小学生や親子が訪れます
利用者の方々は接客や在庫管理などの仕事をします
精神保健福祉士はグループの中でどのように利用者の方とかかわり、一人ひとりの希望をかなえるためにどのように支援していくのか、グループホームや相談支援事業所で、精神保健福祉士として活躍する方々に話をうかがいます。さらに、(利用者の)その人らしい生活をどのように支えているのかを、実際の事業所の多様な活動(面接やプログラム参加、関係機関との連携会議など)に参加しながら学んでいきます。
<実習期間中・実習終了後について>
実習終了後は、実習中に困ったことや疑問に感じた体験を事例報告としてまとめ、グループスーパービジョン(経験豊富な精神保健福祉士=教員からの指導)を受けます。これも専門職を目指すために必要な実習教育の一環で、他の学生と一緒に考え、意見を出し合い、自身のかかわりを振り返る体験から学びを深めていきます。
今年は特に暑さが厳しいですが、学生たちは体調管理に気をつけながら日々実習に取り組んでいます。