保健医療学部

作業療法学科

Department of Occupational Therapy さいたま岩槻キャンパス

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作業療法学科の重村淳教授が「第116回 日本精神神経学会学術総会」で発表しました

  • 第116回 日本精神神経学会学術総会ポスター

9月28日(月)~10月31日(土)までオンラインで「第116日本精神神経学会学術総会」が開催され、保健医療学部作業療法学科の重村淳教授が発表しました。
この学会は、1902年に発足した精神科医師の学術団体として国内最長・最大のもので、重村淳教授は災害支援委員会委員に就いています。「今日の精神医学の検証:10年後の道標として」という大会テーマのもと、8,600名以上が参加しました。

重村淳教授は2つの災害支援委員会シンポジウムでコーディネーター・司会・発表を行いました。

シンポジウム「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)がもたらす精神医療保健福祉への影響を考える」では、「CBRNE 災害としてのCOVID-19」を発表しました。CBRNEとは「化学・生物・放射性物質・核・爆発物(Chemical, Biological, Radiological, Nuclear, and Explosives)」の頭文字をとったもので、目に見えない性質や対応の難しさゆえに「特殊災害」とも呼ばれています。人類はこれまで数多くのCBRNE災害を体験してきて、対応方法を学んできています。COVID-19はCBRNE災害の一種として分類できます。そのため、過去のCBRNE災害でのメンタルヘルス(心の健康)対策を再検証することで、COVID-19のメンタルヘルス対策も進むことを解説しました。

シンポジウム「人為災害における精神保健医療上の課題:東京オリンピック・パラリンピックに向けて」では、「メディアの災害報道がメンタルヘルスに与える影響」を発表しました。災害、特に人為災害やCBRNE災害では、メディア報道が加熱しやすいです。それによって、被害者やその関係者は深い心的外傷(トラウマ)を負いやすく、さらに視聴者も心理的な影響を受けうることを、過去の事例とともに説明しました。また、学会として「報道体制に配慮を求める声明」を公表した経緯も解説したうえで、精神医学とメディアとの関係のあり方が課題になっていることを提議しました。

重村淳教授の発表により、COVID-19のメンタルヘルス対策では過去のCBRNE災害から学ぶことが大切であること、災害報道において精神医学とメディアが協働して報道のあり方を考えていくことが重要であることが示されています。