保健医療学部理学療法学科 秋月千典専任講師が執筆した論文が国際誌「Frontiers in Psychology」(IF=2.9)に掲載されました。研究の概要は以下の通りです。
これまでの研究により、練習条件の一部を学習者自身が調整・選択を行う「セルフコントロール」が運動学習に効果的であることが分かってきています。しかしながら、フィードバックを受け取るタイミングに関する効果については、これまで明らかにされていませんでした。
そこで本研究では、練習中にフィードバックを受け取る「同時フィードバック群」と練習後にフィードバックを受け取る「最終フィードバック群」、そして学習者がフィードバックを受け取るタイミングを自分で決める「セルフコントロール群」の3つのグループを設定し、把握力調整課題における運動学習効果を調べました。
その結果、フィードバックを受け取るタイミングを自分で選べる「セルフコントロール群」が、他のグループよりも運動学習に有効であることが明らかとなりました。さらに、セルフコントロールによって、学習者のやる気(内発的動機づけ)が高められることに加え、課題遂行に伴う精神的な負担の一部が軽減していることも明らかになりました。
本研究により、セルフコントロールが運動技能の習得に柔軟かつ効果的な手法であることが示されました
- 論 文 名 :『Effects of self-control of feedback timing on motor learning』
- 筆 者:Kazunori Akizuki, Kosuke Takeuchi, Jun Yabuki, Kazuto Yamaguchi, Ryohei Yamamoto, Tatsuya Kaneno
- 掲 載 誌 :Frontiers in Psychology
- 出版年月:2025年9月