-
質疑応答
1月26日(日)、社会学部地域社会学科<地域・ひとづくりコース>主催による「第18回地域フォーラム」が開催されました。新宿キャンパス研心館の研心ホールを会場に、コースの学生、入学予定者ら100名を超える参加がありました。
今回のフォーラムでは「豊かな社会の実現と企業価値の創造とは」をテーマに、アキレス株式会社お客様相談室の堀渕茂氏を講師としてお招きし、アキレスがどんな社会課題の解決に向けて、どんな事業展開をしているかを拝聴し、企業によるSDGsの取り組みと私たちの日々の暮らし、環境や健康、教育や福祉などへの関わりについて考えました。
アキレスはシューズのブランドとして有名ですが、実はプラスチック加工の中間財(自動車用シートなどの内装材、ビニールハウスなどの化成品、レスキューボートなどの防災資材、マットレスのなどのウレタン、建築用などの断熱材など)が事業の約8割を占めています。特に最近は、新型コロナウイルス対策として飛沫防止用フィルムや陰圧式エアーテントの注文が殺到しました。こうした製品の開発とサービスの提供を通して、アキレスは「豊かな社会の実現」と「企業価値の創造」を目指しています。

プログラムでは、地域社会学科の飛田満教授(社会学部長)の開会あいさつと趣旨説明のあと、早速、堀渕氏より「アキレスが取り組む『顧客起点』と社会との共生」と題してご講演をいただきました。アキレスの企業理念や事業概要に関する説明があり、つづいてSDGsのゴールに紐づけながら、課題の解決と事業の展開についてさまざまな事例が紹介されました。
まず今日のプラスチックごみ問題(SDG14)に対して、プラスチック加工メーカーとしての課題と責任を自覚し、バイオマスや生分解性のプラスチックの製品開発を進めているとのことでした。
次にマーケットの最近動向、三現主義、トレンド予測などとても興味深いビジネスのお話があり、新製品開発(SDG12)のきっかけとして、クレーム研究からパンプスの改善が行われたことや、災害対策としてレスキューボートやエアーテントが提供されたこと、さらに障がい者就労(SDG10)のために「アキレスファーム」という農園を開設したことや、健康と福祉の増進(SDG3)のために、社内に「足育相談室」を設置してカウンセリングを実施するとともに、幼稚園からシニアまで幅広い年齢層を対象にした「出前講座」を行っていることなどが紹介されました。
そして最後に、小学生の女の子から寄せられた相談に真摯に向き合うことで「瞬足ユニバーサルデザイン」シューズが誕生したという感動的秘話を聴くことができました。
このあと、質疑応答/意見交換の時間が設けられ、大きな会場でも動じず、コースの学生たちから(1年生からも)次々と質問が出され、堀渕氏には丁寧にご回答いただきました。日頃よりアクティブラーニングを大切にする、いかにも<地域・ひとづくりコース>らしい有意義な学びの場となりました。
最後に、飛田教授より閉会あいさつがあり、ギリシア神話の英雄「アキレウス」の補足解説と講演の総括があり、プログラムは終了となりました。会場準備から片付けまでサポートしてくれたリーダー学生の皆さん、お疲れ様でした。
受講した学生たちの感想をいくつか紹介します。
<学生の声>
- 幼いころに何気なく履いていた「瞬足」に歴史と未来が詰まっているんだなと感じた。
- 1人の小学生の女の子から提案されて設計されたシューズの話はとてもすてきでした。
- 企業は売り上げや利益だけでなく、お客様の声に耳を傾けて商品を改善したり開発したりしているんだなと思った。
- 「ヒットは多数派から、大ヒットは少数派から生まれる」という言葉が印象に残った。
- 身の回りの至る所にアキレスのプラスチック加工資材が使われていることを知った。
- ものづくりを通じて環境問題や社会問題の解決に取り組んでいることがよく分かった。
- 社会学部の先輩たちがACAPの「わたしの提言」で受賞されたことを初めて知った。
-
会場の様子 -
主催者あいさつ






