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西洋館倶楽部(渡辺家住宅) -
三木瑛子氏とともに(芳澤ガーデンギャラリー)
社会学部地域社会学科<地域・ひとづくりコース>の山口晋ゼミでは、10月26日(日)に2年次のゼミ科目「地域社会学応用演習Ⅱ」の一環として、千葉県市川市の巡検(日帰りフィールドワーク)を実施しました。
市川市は、これまで多くの芸術家や作家に愛され、文化やアートの土壌が育まれてきたまちです。また、明治から昭和戦前期までの建築物が現存するばかりではなく、今でも文化やアート活動の場所として活用されています。
今回の巡検で訪問した国登録有形文化財の「西洋館倶楽部(渡辺家住宅)」は、東京の実業家のゲストハウスとして建てられた洋館ですが、コンサートホールなどとして使われています。
また、草花が美しい庭園を活かした「芳澤ガーデンギャラリー」や、明治・大正期の近代建築を活用した「木内ギャラリー」、日中国際交流に尽力した人物の旧宅を移築・復元した「郭沫若記念館」といったアートや文化にかかわる点がみられます。
芳澤ガーデンギャラリーでは、市川市出身の鍛金作家・三木瑛子氏の展覧会がちょうど行われており、作品を鑑賞したあとにお話を伺うことができました。
「時・空をつなぐ」というテーマにもあるように、三木瑛子氏の「旅」の経験が作品に大きな影響を与えているそうです。特に、南米コロンビアへの旅で原住民の方々と出会う中で、植物や生物の多様性や人間の自然との関係性に関する考えが確固たるものになっていったそうです。
鍛金の作品を初めて見たゼミ生は、「繊細だが力強い作品にとても惹きつけられました。その地域の特徴が三木瑛子氏の作品にも影響を及ぼすのは、2年ゼミで議論している「人間-環境関係」ともつながると思いました」と感想を述べていました。
このように、実際の現場でアートや文化とのかかわりから地域の特色を読み解いていくことは、<地域・ひとづくりコース>の学びの大きな特徴です。 また、近年はアートや文化の現場に関心を持つ学生が増えつつあります。これからも、現場に足を運んで体験できる機会を作っていきたいと思います。

