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当事者講師の方との会話の様子 -
会話を楽しむ学生たち -
緊張しながらも真剣に話を聴いています
11月26日(水)に保健医療学部言語聴覚学科「臨床実習特講Ⅳ」の授業で、失語症のある当事者講師の方々にご協力いただき、会話を通して情報収集を行う演習を実施しました。
言語聴覚療法を行う上では、対象の方がどのような方なのか、これまでどのように生活されてきたのか、これからどのように過ごしていきたいと考えているのかといった、その方の全体像を把握することがとても大切です。
今回の授業では、尋問にならないような自然な会話の中で生活の様子や仕事、趣味などについて聞き出せることを目標として演習を行いました。学生は、失語症のある方と会話を行うという経験も多くはありません。今回の演習は、会話の難しさはもちろん、コミュニケーションの楽しさも同時に体験できる貴重な機会となりました。
学生たちは、会話の流れを大切にしつつ必要な情報を整理して聞き出すというバランスの難しさを実感していました。また、うなずきや相づち、話題のつなぎ方、確認の仕方など、これまで自分たちが学んできたコミュニケーション技法をどのように生かすかを考えながら臨んでいるのが印象的でした。
当事者講師の方々は、学生の質問に対して言葉だけでなく、身振りや表情、メモや資料なども交えながら丁寧に伝えてくださいました。
演習後、学生からは、「会話は楽しかったが情報を聞き出すことが難しい」「情報を聞こうと思うと質問攻めになってしまう」といった声が多く聞かれました。
3年生は来年の春から、外部施設での12週間の臨床実習に臨みます。今回の経験は、実習先で対象者の方と向き合う際に、どのように会話を進め、どのように情報を伺うのかを考える上で、大変貴重な機会となったことと思います。
ご協力くださった当事者講師の皆さまに心より感謝申し上げます。

