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最後に「笑顔」で記念撮影
11月27日(木)、保健医療学部言語聴覚学科「地域言語聴覚療法学」の授業において、失語症当事者講師の池田博之氏による「笑顔の授業」が行われました。池田氏は、勤務先である東京海上日動火災保険株式会社の業務の一環として、全国各地で講演活動をされています。今回は、奥さまと一緒に名古屋からお越しくださいました。
池田氏は約10年前に脳梗塞を発症し失語症となりました。今でも、「言いたいことをうまく言葉にできない」「相手の話の内容がすぐには理解できない」といった症状があります。それでも、「万策尽きたあとの最後の一手がある」という言葉を支えに、「戦友」である言語聴覚士と共に、諦めずにリハビリテーションを続けてこられました。

授業前半では、学科長の春原則子教授と対談形式で、発症当時から現在までの症状の変化や、その時々の率直な気持ち、復職に至るまでのプロセスと復職後の働き方について語ってくださいました。そして、言語聴覚士を目指す本学科学生への期待や励ましのメッセージをいただきました。
後半では、池田氏から事前課題として提示されたテーマについて、グループ発表を行いました。学生たちは、失語症のある人が「新幹線の切符を予約する」、「レストランで注文する」際にどのような点で困難が生じるか、それに対してどのような支援や工夫ができるか、また、「失語症のある人と関わる際に有効なコミュニケーション方法」についても、グループごとにイラストなどを用いてまとめ上げて発表しました。池田氏は、一つひとつの発表に丁寧に耳を傾け、ご自身の体験や日頃感じていることを交えながらコメントをくださいました。
学生たちは、「当事者の方の生の声」に触れたことで、失語症の症状や、社会的な活動の意味、具体的な支援についてより深く理解し、多くの気づきに出会えました。
大変貴重な学びの時間を提供してくださった池田博之氏と奥さまに、心より感謝申し上げます。
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学生が作成した資料に真剣に目を通す池田氏 -
グループでまとめた内容を一生懸命プレゼン!

