保健医療学部

言語聴覚学科

Department of Speech, Language and Hearing Therapy さいたま岩槻キャンパス

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言語聴覚学科「地域言語聴覚療法学」の授業で復職経験のある失語症のある方々にリモートでお話を伺いました

  • リモートで真剣に話を聞く学生たち

11月12日(木)、保健医療学部言語聴覚学科の専門科目「地域言語聴覚療法学」の授業で、失語症を発症後に復職を果たした経験がある方3名の方にお話を伺いました。今回は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3名のゲストスピーカーのご自宅と、さいたま岩槻キャンパスを遠隔で結んでの授業となりました。

最初のスピーカーは、石田和男氏です。当時、工場の経営者として多忙な日々を送る中でも、禁煙や減量をおこない、健康管理に努めていたそうです。しかし、そんな最中、脳卒中を発症されたとのことでした。リハビリ病院を退院後に工場を再開されましたが、数年後にたたむことに。その決断をした際には「やるせない気持ちだった」と当時の心境を振り返ってくださいました。現在は、別の会社に就職され、データ入力等の責任者をされています。石田氏は、右半身に麻痺がありますが、左手で操作できるようにアクセルやウィンカーを改造し、自動車の運転もされています。奥様とドライブを楽しんでいらっしゃるとのことでした。

二人目のスピーカーは、復職後定年まで勤務され、今は趣味の野菜作りやブログでの情報発信に忙しい毎日を送られている鷲山雄二氏です。かつての部下だった方のお誘いで復職されましたが、朝の通勤ラッシュや、部下とのコミュニケーションが大変だったと話してくださいました。学生に対して「失語症のある方にとって、言語聴覚士が一番理解できる存在」であるという、学生にとってはとてもありがたいお言葉をいただきました。

最後のスピーカーは、今回のゲストスピーカーの人選と全体の司会も担当された、友井規幸氏です。病前と同じ大手企業に復職し、今も現役で働きながら「埼玉県若い&ミドルの失語症の会」の会長や「NPO法人全国失語症協議会」の活動など、さまざまな活動をされています。「リハビリテーションに関わる職業はどれも素晴らしいが、もしなれるのであれば言語聴覚士になりたい」と話してくださいました。学生たちは、失語症のある方にとって言語聴覚士がいかに必要とされている存在であるのかを強く感じたのではないかと思います。

3名のゲストスピーカーのお話は言語聴覚士を目指す学生たち一人ひとりの心に届き、大きな励ましを与えてくださったように感じました。体験談やアンケート調査などの貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。

  • 友井規幸氏
  • 石田和男氏
  • 鷲山雄二氏