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講演会の様子
去る11月24日(月)に、人間学部では1、2年生の学生と教職員を対象に、人間学部講演会「多様性ってなんだろう〜音楽家として伝えていく意味」を開催しました。
講師には、和太鼓奏者・パーカッショニストであり社会福祉士としても活躍している視覚障がい当事者の片岡亮太さんをお迎えしました。片岡氏は2007年に上智大学文学部社会福祉学科を首席で卒業後、社会福祉士資格を取得し、プロの和太鼓奏者として、演奏活動のみならずテレビやラジオへの出演や、今年は万博での2回の演奏披露など多方面で活躍されています。

当日は、迫力あるパーカッション演奏とともに、音楽を目指した契機や、視覚障がい当事者としての日常生活での体験を話してくださいました。それらを踏まえて、多様性の大切さを分かりやすく、そして楽しく伝えていただきました。講演を通して、私たちが持つさまざまな違いそのものが「多様性」であり、お互いに認め合うことの大切さを理解することができました。
さらに、片岡さんは日常生活で直面するトイレのボタンの位置や情報の得にくさなどの実例を教えてくださり、「社会の仕組みが特定の人の使いやすさだけで作られると、誰かが排除されてしまう」と語られました。
講演会後、学生のアンケートには「多様性が特別な概念ではなく、誰もが持つ感性の違いであることを理解した」「効率性を重視する社会の裏で、困難を抱える人がいることに気づいた」「音楽が人をつなぐという言葉に勇気をもらった」などの感想が多く寄せられました。
片岡さんは最後に「違いを越えて手を取り合える社会こそ心豊かな社会で、私は音楽を通じてその大切さを伝え続けたい」とメッセージを送ってくださいました。学生にとって、多様性を自分ごととして捉える貴重な学びの時間となりました。
※なお、本講演会は、毎年人間学部の学科が持ち回りで開催しています。2025年度の幹事学科は、人間福祉学科でした。

