8月8日(金)、大学院心理学研究科臨床心理学専攻の宇野耕司専任講師が指導するゼミが、日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科の藤岡孝志教授の指導するゼミとの合同ゼミを実施しました。
近年、児童虐待、DV、子どもの貧困など、福祉的ニーズに対する臨床心理学的アプローチが求められています。宇野ゼミでは、このようなニーズへの事後的対応から事前的対応、ミクロレベルからメゾレベルの実践までを射程に入れた、研究活動および実践を行っています。ゼミには、子ども・家庭・福祉領域における実践的研究に関心のある院生が在籍しており、その研究テーマは夫婦の親密性の影響に関する研究、重度心身障害児を持つ家庭への支援、多胎児を持つ家庭への支援、外国籍の子どもを持つ家庭への支援など、多岐にわたっています。院生はこれらのテーマを主体的に選択し、地道な研究活動を続けています。
宇野ゼミと藤岡ゼミとの合同ゼミは、今年で3年目を迎えました。今回は、1)福祉領域の実践や研究内容を理解すること、2)福祉モデルにふれることで広い視野を得ること、3)自分の研究の到達点と限界点を理解し、次の課題を明確にすること、の3つを目的として実施されました。
当日は宇野ゼミから3名、藤岡ゼミからは8名の院生が出席し、日本社会事業大学のアットホームな雰囲気の介護実習棟で、丸一日かけて研究成果の発表が行われました。自己紹介の後、院生一人ひとりが15分間の発表を行い、それに対して15分間の検討を実施。発表した院生からは、「心理系以外の視点からのアドバイスや、福祉分野の研究を通して、自分では気づけなかった分野を知ることができ、今後の研究を進めていく上で大変勉強になった」「研究の方向性を明確にしていく上でのいいきっかけとなり、研究の進め方やインタビューの解析法など、多くのことを学ぶことができた」「自分の研究計画に対して、藤岡ゼミの方々の社会経験や、研究上で得た知見から貴重な意見を頂くことができた。臨床の現場でも他業種の方との連携は必要となるので、広い意味での自分の学びにつながった」などの意見が聞かれました。
発表の後は懇親会を実施。日本社会事業大学のゼミ生や教員と交流を深めることができました。今回の合同ゼミを通して、異なる学問の研究テーマでありながら共通点を見いだすなど、双方のゼミ生の研究テーマに関する学際的な理解をいっそう深めることができました。